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「肌ざわり」がわたしたちにもたらすもの File03 ー身に纏うもので心も癒されるーMOMO SUZUKIさん

「オーガニックコットンという素材のやわらかさで誰かの心を少しでもやわらかく、軽やかにしたい、もっと言えば、世界をもやわらかくしたい」と考える私たちが、さまざまなフィールドで活躍する人々にフォーカス。独自の感度を持つ人たちに日常や身の回りのこだわり、惹かれるものについてお話を聞きながら、肌ざわりと心の関係性を紐解きます。

今回は、ファッションブランド「BLACK CRANE(ブラック・クレーン)」のデザイナーMOMOさんにインタビュー。肌ざわりや素材へのこだわり、心地よい暮らしについて伺いました。

ー自然の中で五感を育んだ子ども時代を経て、14歳でアメリカへ

--MOMOさんは、どんな子ども時代を過ごされたのですか?
アメリカに移住する14歳までは、東京都多摩市で育ちました。自然豊かな心地良い土地で、母と河原で蕗の薹を探したり、里山でキノコやタケノコを採ったり。採れた食材を台所で母が友人たちと賑やかに料理しながら、食す喜びを人とシェアしている姿がとても好きでした。他にも、柿の葉を拾いに行き、柿の葉寿司の色彩を意識しながら大皿に並べるなど、目と心で食す喜びや五感を通じて得る些細な体験が今の自分を形成していると思います。 

--自然体験を通じて得た感覚が今のMOMOさんの物づくりにもつながっているのでしょうか。
そうですね。両親の様々なジャンルの友人達からもインスピレーションを無意識に受けていたと思います。8歳の頃から母の画家の友人から絵を習っていたのですが、空気の流れを想像し描く抽象画、数分のクロッキーや静物画など、どれも内容がユニークでとても好きでした。先生は生徒が描き終えるまで何も口出しせず、自分で完成したと思ったら先生に見せに行き、絵を遠くに置いて一緒にしばらく眺めながら先生に問われるんです。「どう思う?」って。主観的に描いた後に客観的に作品を観て、自分で答えを見つける最後のステージはいつも緊張しましたが、それは私の今の物づくりにおいても欠かせないプロセスになっています。

--ロスに渡った後は、どんな道を歩まれたのですか?
大学では環境アート、インテリアを学び、卒業後はインテリア事務所でしばらく働いていました。とても楽しかったのですが、自分にはスケール感が合っていない気がして悩んでいた事もあり、独自で作れるホームディコアとして皮をモールドした小物をガレージで制作し、日本やロスのインテリアショップで少量ですが販売していただいていました。モールドに使用する型を作るのに必要な木工旋盤がないので、仕事の後にコミュニティーカレッジの夜間クラスで授業の課題と全く関係のない木工型をひたすら木工旋盤で削っていました(笑)。

―「BLACK CRANE」の誕生。いくつになっても纏いたいシーズンレスの作品を作りたい

--その後、「BLACK CRANE」のデザイナーになったのは、どのようなきっかけだったのでしょう?
アパレルブランドを経営している夫のアシスタントが日本に帰国し、ちょうどインテリア事務所を辞めた私が彼のアシスタントになったのがアパレルの職に就いたきっかけです。数年後、2009年に夫がレディースブランド「BLACK CRANE」を立ち上げ、自然な流れで私がデザイナーになりました。鶴が象徴する幸運、長寿、平和の意味をブランドに反映したくて「BLACK CRANE」と名付けました。

--「BLACK CRANE」の衣服には自然素材を使われていますが、どのような思いで素材を選んでいるのですか?
素材選びに関しては、そのまま寝てしまっても着心地の良い、素肌で安心して着られるものでありながら、再生可能、生分解性があり、長持ちする天然素材を使用しています。環境負担が非常に大きいアパレル産業として自分たちに出来ることを今も模索中ですが、当初から生産における無駄を最小限に抑えるため、在庫を抱えない受注生産方式、1年に2シーズンの生産スタイルにしています。染料には、有害な化学物質や媒染剤を含まず、染色工程で使用する水量を大幅に削減した、低環境負担染料を使用しています。

また、15年以上の付き合いがある地元の製造パートナーの元で生産をしているのですが、互いの価値観を理解するために生産シーズン中は毎朝工場でミィーティングをしています。開発段階においては、無駄を抑えるために生地を最大限に使用するデザインと構成についても何度も工場と話し合います。流行り廃りで有効期限をつける商品ではなく、いくつになっても纏いたいシーズンレスの作品を作りたいと思っています。

ーオン・オフにメリハリをつけ、日々の小さな喜びや幸せを見つける

--衣服は生活の道具として、機能的であり、ストレスフリーであるべきだと掲げていらっしゃいますね。肌ざわりへのこだわりについてはいかがですか?
皮膚は第三の脳と呼ばれるほど、皮膚と脳は密接な関係にあるそうです。気持ちの良い肌ざわりは心地良さだけではなく、心も癒してくれます。ですから、身に纏うものは大切に選びたいですね。

--MOMOさんにとって心地良い肌ざわりのアイテムについて教えてください。
15年以上大切にしているPerry Ellis(ペリー・エリス)のヴィンテージシルクシャツに勝るものはないです。滑らかで軽く、羽織っている事すら忘れてしまうほど。それと、90年代からオーガニックコットンを生産しているアメリカのニット生地を使用したBLACK CRANE ESSENTIAL COLLECTIONのアイテムです。顔を埋めたくなるほどやわらかく滑らかなストレスフリーの部屋着・寝間着でのんびりするのが幸せです。

--他にも、自分らしくいるために暮らしの中で心がけていることはありますか?
展示会期間以外の生活では、プライベートも充実出来るようにオン・オフにメリハリをつけています。ストレスを感じにくい環境で効率良く仕事をし、その日の仕事が終われば営業時間内でもスタッフも皆帰ります。帰りには夫と地元のファーマーズマーケットで食材を買い、ゆっくり夕食の準備をし、食後は1時間ほど二人で近所を散歩します。歩きながら自然の繊細な移ろいを感じ、日々の小さな喜びや幸せを見つけ、その瞬間に感謝して1日を終えます。--最後に、MOMOさんにとって心地良い生活とは?
時間に囚われず、自然と交感しながらゆっくり生活する事が自分らしく、心地良いです。週末の午前中は猫が庭で昼寝をしている傍で土いじりをしたり、自分たちが住むずっと前からこの地を長年守ってきてくれている大きなユーカリの木の下でお茶を啜ったり。午後は家中の窓を全開にしてお香を焚き、平日のお弁当用の副菜作り置きをしていることが多いですね。時折、サーフィンをする夫と一緒に海に行きますが、早朝4時に出発なので気が乗った時だけついて行きます。無理はせずに、自分自身との関係にバランスを保つことで自分らしくいられるのだと思います。

■ MOMO SUZUKIさん/BLACK CRANE(ブラッククレーン)デザイナー

1989年に渡米。2005年にメンズブランドの生産に携わり、2009年パートナーと共にBLACK CRANEを始動。現在はパサデナでパートナーと猫の3人暮らし。庭に訪れる野生動物を観察するのが息抜き。

HP:BLACK CRANE公式サイト
instagram:@black_crane
                    @momobc
                    
Photo : Alexander Yamaguchi
Text : Momo Suzuki
Edit:Nao Katagiri

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