このウェブサイトはお使いのブラウザーに対応しておりません。Edge, Chrome, Safari, Firefoxのいずれかで再度お試しください。
画像

めぐる素材、めぐるやわらかさ ーSISIFILLE × OverLab 生理用ナプキンポーチ「Cycle with me」ができるまでー 後編

10周年を迎えたSISIFILLEが、この秋に出会ったのは、韓国のアップサイクルブランド「OverLab(オーバーラボ)」。廃棄されてしまう素材に新しい命を吹き込む彼らとともに、生理用ナプキンを入れるための特別なポーチをつくりました。
パラグライダーの生地を使って作ったポーチに刻まれた言葉は「Cycle with me」──めぐりゆく日々を、ともにやさしく循環していこうという想いを込めて。
“やわらかさ”と“循環”という共通の価値観から生まれた、このコラボレーションの背景を、OverLab代表のパク・ジョンシルさんと、SISIFILLEのマミ・ナツキが語りました。


 

 

 

 

―存在感を消すようにされがちな生理用ナプキン。その「居場所のなさ」を解消するために、今回どうしても“外付け”するポーチにしたかったんです(マミ)

SISIFILLEマミ・ナツキ×OverLabジョンシル_テレビ通話(写真左上から時計回り、OverLabパクさん、SISIFILLEマミ、SISIFILLEナツキ)

(写真:4種類のバイカラー。アップサイクルの素材のため、生地の縫い目の位置や色に若干の個体差がある)

マミ:
今回、生理用ナプキンのポーチを一緒に作ったわけですが、すごくいいものができましたよね!一見ハンカチに見えるようなタオル生地のポーチに入れたり、なるべく目立たないよう、バッグの中で存在感を消すようにされがちな生理用ナプキンですが、その「居場所のなさ」を解消するために、今回どうしても“外付け”するポーチにしたかったんですよね。

ナツキ:
すごくかわいいものができましたね!ナプキンのポーチはトイレでの出番が多いので、水に強いのも嬉しい。ジョンシルさんは、このポーチを作る上で、難しかったところはありましたか?

ジョンシル:
言葉の壁や距離はあったけど、ものづくりは難なく、スムースにできました。もし挙げるとすれば、色の使い方ですね。OverLabではこれまで、ひとつのアイテムに一色しか使ったことがなかったんです。今回のコラボで初めて、カラーの組み合わせを考えました。二色以上使うことで生理用ナプキンを入れるポーチに見えなくて、外に見せて使ってもかわいいし、SISIFILLEさんとOverLabのシナジーが作り出した、すごくいいものになったと思います。

ナツキ:
今回のコラボで初めて二色使われたんですね!パーツを切り出す位置によって、縫い目の位置や、色にも少しずつ差があって、一点ものなのも、アップサイクルな素材ならではの楽しみ。これまでのSISIFILLEのアイテムではなかったことなので、私たちにとっても新鮮でした。

―このポーチがきっかけになって、誰もが気軽に生理を語り合える未来につながって欲しい(ナツキ)

ナツキ:
生理用のナプキンを入れるポーチとして今回作りましたが、韓国の生理事情についても気になります。日本では生理用のナプキンがよく使われるアイテムなのですが、韓国ではどうでしょうか?

ジョンシル:
韓国も生理用ナプキンが一般的で、オーガニックコットンなどの自然素材を使ったものがかなり多いです。タンポンをレジャーの時だけでなく普段から使う人も多いと思います。ただ最近は、環境や自分の体のために、使い捨ての生理ナプキンではなくて、布ナプキンなどの何回でも洗って使える生理用品を使うことが、広まってきています。

マミ:
日本では自然素材のナプキンはまだ種類も少ないですが、その点はすごく先を行っているのですね!日本では、男性が生理のことを話したり、パートナー同士で生理について話したりすることってまだまだ少ないと思うのですが、韓国ではいかがですか?

ジョンシル:
韓国も日本と似ていて、恥ずかしいと感じることもあってか、男性同士や男女のパートナー同士でも、そういう話はしないと思います。ただ最近は、「生理のことを話そう」とか、「もっと生理をオープンにしよう」といったキャンペーンが打たれたり、考え方を変えていこうとする動きがあります。以前は、男性がお店で生理用品を買うのは恥ずかしいことだったけど、最近ではドラマでもそういうシーンがあったり、少しずつ変わってきているように感じます。

ナツキ:
「男性にも持ってもらえるようなものにしたい」と、こだわって今のデザインになりました。生理用品は本来、コソコソ隠すものではないと思うんです。台湾では、男性が生理用品を持ち歩き、必要なときにパートナーへ手渡す文化があると聞いたことがあります。性別や立場を問わず生理をサポートし合う優しい空気が広がる可能性を感じました。このポーチがきっかけになって、誰もが気軽に生理を語り合える未来につながって欲しいですね。

 

―「アップサイクル」と「生理」の“cycle”、二つのやさしい循環が交わって生まれたアイテムだと思っています(マミ)

マミ:
今回のポーチには「Once flew in the sky, now made to cycle with me.(かつて空を舞い、今は私とめぐるために生まれかわった)」という言葉を入れました。「アップサイクル」と「生理」の“cycle”、二つのやさしい循環が交わって生まれたアイテムだと思っています。SISIFILLEが扱うコットンは農作物であり、継続的にコットンを買い続けることは、生産者である農家さんのサポートにもつながっています。同時に、ジョンシルさんがブランドを立ち上げた背景でもある“大量生産・大量消費”という課題に、私たち自身、どう向き合うべきかをずっと考えてきました。これまでも、卵殻や古紙など、本来なら捨てられてしまう素材をパッケージとして取り入れてきましたが、“ものづくりをする者の責任”として、まだ十分とは言えません。そんな中での、捨てられる素材に新しい命を吹き込むOverLabさんとの今回の取り組みは、大きな挑戦であり、SISIFILLEの可能性が広がったと感じています。

ナツキ:
このポーチを使ってくださる日本のみなさまに、届けたい思いはありますか?

ジョンシル:
本来であれば捨てられてしまう素材でも、こんなにも丈夫で、水にも強くて、長く使えるポーチを作れる。使ってくださるみなさまに、この素材の可能性や、アップサイクルの重要性を知っていただけたら嬉しいです。
環境問題についてって、「難しい」「私ひとりにできることなんてない」と思っていらっしゃる方も多いと思います。でも、そうじゃない。このポーチを買うこと、そういうちょっとのことからでも「環境ためになっている」ということを感じてもらいたい。そんなマインドセットをみんながもてるよう、OverLabも、SISIFILLEさんも、ものづくりや発信を続けていけたらいいなと思います。

 

 

■ パク ジョンシル/ OverLabディレクター/デザイナー
ファッション業界で大量生産・大量消費の仕組みに疑問を抱いた経験をきっかけに、寿命の短いスポーツギアの素材と向き合い、新たな役割を与えるアップサイクルブランド「OverLab」を設立。軽さや耐久性といった素材そのものの個性と可能性を活かしながら、素材の命を延ばし、新しいライフスタイルを提案している。

 

■ 道端 真美(ミチバタ マミ)/ SISIFILLE MD/WEB
美術大学を卒業後、設計会社に勤務。退職後、バックパッカーとして世界26カ国を周遊、その後カナダで暮らす。オーガニックコットンを通じた嘘のないものづくりに感銘を受け、2018年(株)パノコトレーディングに入社。1年間のニュージーランドからのリモート勤務を経て、現在は国内でSISIFILLEの企画・生産管理およびWEBサイト運営を担当。

■ 森田 菜月(モリタ ナツキ)/ SISIFILLE 営業/プレス
大学で環境デザインを専攻。卒業後、大手百貨店に入社し法人営業やECサイト運営を経験。学生時代から興味があった環境や人権問題に取り組みたいという想いから、2024年パノコトレーディングに入社。シシフィーユの企画営業、SNSやプレス業務をはじめとした外部とのコミュニケーションを担当。

 

Text&Edit : Mami Michibata

会員登録で初回10%オフ。クーポンコード [ WELCOME10 ]

以下の商品がカートに入っています

No more products available for purchase

カートに商品がありません。