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自然とつながり自身との関係性を癒す時間を ー女性たちが残した言葉とカモミールで国際女性デーをお祝いー

3月8日は「国際女性デー」。女性の存在、権利があらゆる場面で認められ、性別にとらわれないジェンダーニュートラルな思想が広がることを求め、SISIFILLEもこの日を大切にしています。今年は、私たちが共感する女性たちの言葉をカモミールのシードペーパーにのせて、オンラインストアでお買い物いただいた方に先着順でお配りします。そして今回は、植物学者・ハーブ専門家として活動されているウィーバー佳奈さんによる「女性性のケアとカモミールの楽しみ方」についての記事をお届けします。
やわらかく、包み込むようなやさしさのエネルギーを持つ「カモミール」は、世界各地で大切な薬草として愛されてきました。初夏に甘い香りの白い花を咲かせるカモミール。さまざま不調や不安をやわらげ、ハートも身体もあたたかく抱きしめてくれる、陽だまりのような植物です。この国際女性デーは、あらためて自分の中の女性性に向き合うための素敵なタイミングです。カモミールの穏やかな安心感の中で、自分の中の女性性に向き合い、抱きしめると、新しい景色が見えてくるかもしれません。ここでは、カモミールの育て方、性質、日々の心身のケアに役立つレシピや活用方法をご紹介します。育てて、食べて、ふれあいながら、カモミールのやわらかなエネルギーを感じてみてください。

―シードペーパーのジャーマンカモミールの育て方

「German Chamomile / ジャーマンカモミール」
学名:Matricaria chamomilla  (―年草)

 <準備するもの>
・土
・大きめの植木鉢(直播でもOK
・シードペーパー ※
・水
※シードペーパーとは、再生紙にさまざまな植物の種が漉き込まれているものです。一晩水につけてから土に埋めるだけで、植物を育てることができます。紙は自然に分解されて土に還ります。

初心者でも育てやすいカモミール(一年草)。35月頃(※)、春のあたたかさが感じられるようになってき頃に種を蒔きます。気温は1520度くらいが理想です。日当たりと水はけがよく、風通しの良い場所で育ててあげましょう。庭の生態系を支えるコンパニオンプランツとしても優秀なカモミールは、家庭菜園のお供にもおすすめです。
※秋蒔きも可能です。その場合は910月が敵期です。 

<手順>
1. シードペーパーを一晩、水に浸します。
2. できれば大きめの植木鉢を用意し、園芸用の土を詰めます。種を蒔く前に土を十分に湿らせておきます。
3. シードペーパーを置き、上に5mmほど土をかぶせます。再度軽く全体に水をあげます。
4. 発芽するまでは土が乾かないように気をつけながら水やりを続けます。
5. 7~10日で発芽します。混み合ってきたら間引きしましょう。発芽してからは、水やりの頻度を少し落とし、乾燥気味の状態で育てます。日当たりを好みますが、高温に弱いので真夏は半日蔭に移動します。23ヶ月後の5月~7月頃に開花します。※成長や開花のタイミングは環境によって異なります。

<収穫と保存の仕方>
カモミールは、初夏に甘い香りの可愛らしい花を咲かせます。花の部分は、ハーブとしてさまざまな方法で活用できます。開花後34日経って、花の中心の黄色い部分が丸く膨らんできた頃が収穫のタイミングです。午前中の朝露が乾いた頃に、一輪ずつ花の部分を手で摘んで収穫します。花をこまめに収穫すると、長い期間にわたって花を咲かせ続けます。

フレッシュな状態で使用する場合はそのまま、乾燥させると1年ほど保存できます。乾燥させる場合は、ざる・網・ペーパータオルなどに載せ、花が重なり合わないように広げ、数日間風通しの良い場所に置きます。時折手で軽く混ぜて、まんべんなく乾くようにします。

しっかりと乾燥していることを確認してから、瓶などの密閉容器に入れ、直射日光を避けて保管します。乾燥剤を入れたり、冷蔵庫で保管してもよいでしょう。水分が残っていると、カビが生えることもあるので注意します。保存の目安は1年ですが、早めに使ったほうが良い香りを楽しめます。

<種とり>
特に美しく、元気な株は種とり用にとっておきます。とった種や、こぼれ種からまた翌年も美しい花を咲かせます。

カモミールの性質 

カモミールは人類の長い歴史を通して、癒しをもたらす植物として大切にされてきました。記録によると、紀元前1550年にはすでに薬草として用いられていたようです。ヨーロッパやアジアが原産とされ、北米や南米など各地に栽培が広まっています。花の持つ甘い香りから、ギリシャ語で「大地のリンゴ」という意味合いの名前が付けられました。また、聖なる植物として、世界各地の太陽神や精霊と結びつけられてきました。夏の太陽の季節に花を咲かせ、心身の癒しをもたらしてきたカモミールが、人々によって大切にされてきたことがうかがえます。

カモミールの香りは不安や緊張から心をやわらげ、落ち着いた気持ちを思い出させてくれます。カモミールの持つエネルギーはやさしく、やわらかですが、それは決して「効能が弱い」というわけではありません。近年の研究で、カモミールがさまざまな心身の不調の改善に役立つことが再確認されています。広く知られているだけでも、不眠症、不安、ストレス、アレルギー、抗炎症、美容、頭痛、消化器官、PMSほか女性のホルモンバランスの崩れに由来する症状、抗炎症、リラックス、鎮静作用など、多くの場面でサポートする力があります。子供が使用しても安心で、赤ちゃんの夜泣き改善、子供のストレス緩和や消化機能のサポートにも向いています。ぜひ、自分で育てたカモミールを収穫して、日々の暮らしの中に取り入れてみてくださいね。

カモミールのレシピ

フレッシュなカモミールの花にそのままお湯を注いでハーブティーにしたり、エディブルフラワーとしてサラダの飾りにもできます。また、乾燥させて、お茶、シロップ、ポプリ、クリーム、オイル、バスソルト、ティンクチャーなど、さまざまな楽しみ方ができます。今回は自分をケアする時間のお供にぴったりなカモミールのレシピをご紹介します。

※キク科の植物にアレルギーがある方は、使用の際にご注意ください。
※妊娠中・授乳中・お薬を服用中の方は事前にお医者さまにご相談の上お召し上がりください

<カモミールティー>
カモミールを一番気軽に取り入れられる基本のレシピです。

--材料
・カモミール(フレッシュor乾燥) 大さじ2
・水

 --作り方
フレッシュ or 乾燥させたカモミールの花は、そのままハーブティーとして(お湯 or 水出し)でいただくことができます。水250300ccに対して カモミール大さじ2程度を目安に、お湯の場合は煮出して、水の場合は水に一晩漬け込んでから濾して飲みます。

 --アレンジアイデア
ミルクで煮出して、カルダモンやシナモン、バニラ、蜂蜜などを加えると、ほっと安心したい時にぴったりのミルクティーに。消化をサポートするには、ラベンダーやジンジャー、ストレスの軽減にはトゥルシーやレモンバームやローズ、睡眠のサポートにはトゥルシーやバレリアンやパッションフラワーなどを合わせても良いでしょう。
<カモミールハニー>
カモミールの優しい香りたっぷりの蜂蜜です。お茶や、デザートのお供にどうぞ。

--材料
・カモミール (乾燥) 1/2カップ
・蜂蜜 1カップ

--作り方

1. ビンなどの容器にカモミールを入れ、蜂蜜を注ぐ
2. 週間ほど置く。カモミールが浮いてくるので時々瓶をひっくり返す。
3. 2週間経ったら漉し器で濾す。蜂蜜が固くなってしまっていたら、湯煎で溶かす。
4. 直射日光を避けて保管する。お好みのお茶やデザートに

 --アレンジアイデア
カモミールだけでなく、ラベンダーやローズなど、お好みのハーブを加えても美味しいです。その場合はハーブ全体:蜂蜜の割合が1: 2になるように分量を調整してください。
<カモミールバスソルト>
カモミールの香りが素敵なバスソルトです。こちらも、ラベンダーなどお好みのハーブを加えてもOKです。より深く、やさしいリラックスタイムが味わえると思います。

 --材料
・エプソムソルト 1カップ
・カモミール (フレッシュ or 乾燥) 1/2カップ 

--作り方
1. カモミールとソルトをフードプロセッサーで混ぜる
2. (フレッシュカモミールを使用した場合)クッキングペーパーなどの上に広げ、風通しの良い場所で 1~2日乾燥させる」
3. 瓶などに入れて保存する
「そのままの自分で愛されても大丈夫」というメッセージを自分に送

「国際女性デー」は、大きな歴史の流れの中で、「女性性」が癒えていく大切なプロセスの一つのように感じます。地球上のあらゆる存在は、女性性や男性性のように、異なる質のエネルギーの精妙なバランスの上に生命を繋いでいます。それでも、これまで社会的に「女性だから」「男性だから」とがまんしてきたことや、世代を超えて引き継いで、いつの間にか「当たり前のこと」として内面化してきたバランスの歪みが数多くある気がします。私自身も、特に出産して母となってからは、育児やパートナーシップで困難に直面するたびに、「女性として」「母として」こうしなければならない、といった謎の思い込みで自分で自分を制限してきたことに多く気付かされました。 

一度崩してしまったバランスを取り戻すために、私たちができること。それはもしかしたら、肩の力をすこし緩めて、「そのままの自分で愛されても大丈夫」というメッセージを自分に送ってあげることかもしれません。本来の自分にくつろぎ、安心感の中でたゆたう心地を思い出すと、私たちの心身はエネルギーに満ちていきます。植物は、そんな人間に多くの力を貸してくれています。カモミールに触れると、ほっと包まれたような安心感を感じます。それは、私たちが生きていく上で何より大切な感覚の一つではないかと思います。

 私たちが自分自身との関係性を癒すと、その影響は周りの人たちや、地球の生態系全体にも及びます。環境破壊も、もとを辿れば「自然」と私たち「人間」の関係性の崩れが原因だという考え方があります。一人一人がバランスを取り戻すことと、地球の生態系がバランスを取り戻すことは相似形のように思えます。ひとつの関係性が癒えると、どんな小さいレベルでも、変化はさまざまなレベルに波紋のように広がっていくかもしれません。「自分で植物を育てる」というのは、もっとも深く自然界との関係性を築く方法の一つです。存在として植物と繋がりを持った時、深いレベルでの変容や癒し、そして奇跡のようなことさえ起こります。

■  Koa Weaver 佳奈 (ウィーバー佳奈)  
民族植物学者、薬草専門家、自然療法ウェルネスコーチ。一児の母。世界を旅しながら、各地の植物の美しさ、薬草学、種の多様性、植物にまつわる文化の多様性を次世代に手渡す方法について探究。東京大学大学院修士、オランダエラスムス大学社会科学研究所修士。カリフォルニア大学サンタクルーズ校環境学博士課程単位取得退学。国際民俗生物学会所属。米国自然療法ウェルネスコーチ資格。植物とのつながりを通じて、自分のことも地球のことも大切にする暮らしを実現することに関心がある。植物、ハーブ・薬草、セルフケア、生物文化多様性保全の分野で講座、コンサルティング、執筆、通訳などを行う。米国カリフォルニア州バークレー在住。好きな食べ物はパイナップルグァバ。

Text&Edit : Kana Koa Weaver
Photo : 4,6,7:Kana Koa Weaver

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