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COMMUNITY

身体を温めることで、ニュートラルな状態に導かれていく ー私の人生を変えた「HIETORI / ひえとり」ー峰田朝恵さん

ニューヨークを拠点に「neutral lab(ニュートラルラボ)/中庸研究所」を主宰する峰田朝恵(ともえ)さん。自然素材で作られたニュートラルラボの衣服には、どんな状態であっても、ありのままの今を祝福したいという願いが込められています。心身を緩ませ、整えることを研究する朝恵さんの人生を大きく変えていったのは「ひえとり」との出合いでした。パンデミックを機に、ニューヨークでお話会などを通じて伝えることを始めた朝恵さんに、「ひえとり」のこと、そしてニュートラルラボを通じて伝えたい想いを聞きました。 ―自然の恩恵を暮らしの中に取り入れる豊かさを教えてくれた母の存在 「neutral lab/中庸研究所」という屋号で衣服を作り始め、ちょうど10年が経ちました。紆余曲折を経て、ようやく「ニュートラルラボ」の意味が腑に落ちてきたような気がします。年齢、性別、サイズ、人種、季節、流行…、あらゆる枠を超え、着る人があるがままの今に安心できるような、自由で心地よい服を作りたい。自由自在に何通りにも着回せる服を通して、みなさまにそれぞれの“今”を表現していただけたらと思っています。 北アルプスの麓、自然豊かな長野県安曇野で育ち、長距離を徒歩で通学する子ども時代。主婦であり染織家でもあった母は多趣味で、なんでも手作り。安曇野の自然をこよなく愛し、育てたお蚕さんや綿から糸を紡いで織ったり、スケッチした野草などを布にデザインしては草木で染めたりと、自分の“好き”に夢中な姿を今も思い出すことができます。 自然からの恵を手仕事として大切に伝えてくれた母の存在はとても大きかったと思います。 (写真)2016年初夏に旅立たれた最愛のお母様(右)と朝恵さん ーアメリカで“好き”を仕事に。そしてその先に訪れた転機 小さい頃から手芸やものを作ることが好きで、ビンテージの古着や着物を集めたり、自己流で服を作ったりしていたので、服の作り方が学べるなら楽しいかも!と、語学の勉強も兼ね、パターンメイキングのクラスが取れるカリフォルニア州のコミュニティーカレッジに入学しました。 そのうちにもっと本格的に学びたいと思うようになり、ロサンゼルスのファッション専門学校に編入。幸運にもインターン中、パタンナーの師匠と出会い、いくつかの有名ファッションブランドで経験を積む機会に恵まれました。そしてキャリアも熟してきた頃、知人とブランドを立ち上げると、PRの力もあって、あっという間にたくさんのオーダーをいただくようになりました。軌道に乗っていたのも束の間、ビジネスパートナーとのすれ違いやリーマンショックの不況の波と共に解散。人生を注いで育ててきたものがあっという間になくなってしまい、さらに金銭のトラブルもあって不安定な時期でした。その後はロサンゼルスのファッションブランドで働いていたのですが、休暇前になんとか仕事を終わらせて、明日から日本!!というタイミングで、経営不振を理由に解雇のお知らせが…。突然の出来事に、驚きや、怒り、不安など、さまざまな感情が渦を巻いたまま日本へ。それが2010年のことでした。 ―「ひえとり」との出合い その時日本での滞在中、母の紹介で出合ったのが「ひえとり」でした。「ひえとり」とは、上半身と下半身の温度差を“冷え”と捉え、下半身を温めることで血流=氣を巡らせ、温度差を緩和し、自然治癒力を蘇らせることで臓器の機能を正常化し、心身の陰陽を統合するという、医師であった進藤義晴さんが提唱したホリスティックな生活様式です。基本は半身浴なのですが、一日中お風呂に入る代わりに、絹とウール/綿など自然素材の靴下、下衣を交互に重ねることで下半身を温め、半身浴に近い状態を保つことができます。 最初、「ひえとり」を教えてくださった方が靴下を20枚も履いているのを見て、当時ハイヒールばかり履いていた私には到底できないと思ったのですが、話を聞くとシンプルで理にかなっていて、「やってみたい!!」と興奮したのを覚えています。まずは、お風呂を半身浴に変え、ハイヒールは履きながらも、靴下を1枚、2枚と重ねることから始めました。とにかく温かくて心地よくて、『瞑眩(めんげん)』という身体に起こる様々な解毒の好転反応を人体実験として楽しみながら、どんどん夢中になっていきました。心地よさと好奇心に包まれながら日本で過ごしていると、突然ニューヨークに来ないかというお仕事のお誘いが舞い込んできました。それがきっかけで13年過ごしたカリフォルニアを離れ、不安や期待の中、単身でニューヨークへ渡ることになったのです。 ―心から着たいと思える服を作ってみたい。ニュートラルラボのはじまり ニューヨークでのファッションの仕事はとても刺激的でやり甲斐がありましたが、次から次へと新しい服を作り出していくファッション業界のサイクルに疲弊を感じるようになっていきました。半身浴の時間や、重ねる靴下の枚数が増えると、地下足袋や足元が安定する靴を履くようになり、不思議と白などのニュートラルな色を好むようになっていったのです。また「ひえとり」に対応できる上に、自分自身が着たいと思える服にはなかなか出合えず、「ファッションの概念を超えて、ただ自分が着たい服を作ることは可能だろうか」と考えるように。働き方をフリーランスに変えると、定期的に帰省する時間も増え、故郷、家族、自分の根源と改めて深くつながることができました。滞在中、大好きな北アルプスを毎日眺めているうちに、ある日、ふと雪形がプリーツとして浮き上がり、お山の服のアイデアが閃きました。上半身は軽く、足元はどっしり末広がりというお山の形はまさに「ひえとり」の基本。気がつけば名字も「峰田」…。私の中ですべてがつながり、自然の恵をいただきながら本来の自分に還れるような衣服を作ろうと決意。最愛の母に草木染めや織りを教えてもらいながら、心から着たいものや、心地良さを追求する実験の場として、「neutral lab/中庸研究所」を立ち上げました。(写真)螺旋状に縛りあげ、草木で束染めされたウェディングドレス(写真)暮らしの中にある植物を使ったワークショップ「瞑想のように草木染め」の時の様子 ーパンデミックを機に「ひえとり」を「HIETORI」としてアメリカの地で伝えたいと思うように  当初、ニュートラルラボを通して「冷えとり」を紹介するつもりはありませんでした。靴下など下半身に重ね着するので、独特なシルエットになってしまうことからニュートラルと謳いながらも人との間に垣根をつくってしまうのではと思っていたからです。ところがパンデミックが起き、ロックダウンの最中「私ができることは何だろう」と考えた時に、「ひえとり」を「HIETORI」としてニューヨークで紹介することを思いつきました。そして、私の経験や情報をシェアすることで、誰でも簡単に免疫力を上げられる事を知ってもらい、みんな平等に備わっている自然治癒力を目覚めさせる方法を、ニュートラルラボとして初めて発信しました。 今は必要な人に届いてくれたらいいなという気持ちで、ニューヨークで展示や体験型のお話会をやらせていただいています。やってみて分かったことは、人種にかかわらず、多くの方が「冷え」を感じ、不調を抱えていらっしゃるということ。そしてホリスティックに心身を整えることへの関心が高いことでした。後日「睡眠の質が上がった!」などの報告をいただいて、とても嬉しく感じています。 ーありのまま、不完全な自分を隅々まで愛したい 人生が行き詰まった先で「ひえとり」と出合い、結局は起きていることすべて最善だということを身体で感じ、少しずつ安心できるようになりました。それでも現実に翻弄され、心身を緩ませる研究をしながらも、焦ったり、緊張したりすることがまだまだあります。ただ、そんな私だからこそ、心地よいというだけで「ひえとり」を続けてこられたのだと思うのです。不完全な自分を隅々まで愛し、ありのまま表現し続けることで、一度しかない人生を楽しみ、それが全体の調和に繋がることを願っています。 ■ 峰田朝恵/ neutral lab :: 中庸研究所 代表デザイナー 1998年渡米、ロサンゼルスのファッション専門学校卒業。パタンナーとして働いた後、ファッションブランドを立ち上げる。2011年ニューヨークに拠点を移し、故郷安曇野に帰省中、長野のアルプスからインスピレーションを受け、衣服をホリスティックな観点からデザイン。2013年、neutral labを創立。心身が自然にたゆみ、自由自在に着回せる服、自分に還るライフスタイルを提案。現在「...

# HEALTH# ORGANIC COTTON# セルフケア

自然とつながり自身との関係性を癒す時間を ー女性たちが残した言葉とカモミールで国際女性デーをお祝いー

3月8日は「国際女性デー」。女性の存在、権利があらゆる場面で認められ、性別にとらわれないジェンダーニュートラルな思想が広がることを求め、SISIFILLEもこの日を大切にしています。今年は、私たちが共感する女性たちの言葉をカモミールのシードペーパーにのせて、オンラインストアでお買い物いただいた方に先着順でお配りします。そして今回は、植物学者・ハーブ専門家として活動されているウィーバー佳奈さんによる「女性性のケアとカモミールの楽しみ方」についての記事をお届けします。やわらかく、包み込むようなやさしさのエネルギーを持つ「カモミール」は、世界各地で大切な薬草として愛されてきました。初夏に甘い香りの白い花を咲かせるカモミール。さまざま不調や不安をやわらげ、ハートも身体もあたたかく抱きしめてくれる、陽だまりのような植物です。この国際女性デーは、あらためて自分の中の女性性に向き合うための素敵なタイミングです。カモミールの穏やかな安心感の中で、自分の中の女性性に向き合い、抱きしめると、新しい景色が見えてくるかもしれません。ここでは、カモミールの育て方、性質、日々の心身のケアに役立つレシピや活用方法をご紹介します。育てて、食べて、ふれあいながら、カモミールのやわらかなエネルギーを感じてみてください。 ―シードペーパーのジャーマンカモミールの育て方 「German Chamomile / ジャーマンカモミール」学名:Matricaria chamomilla  (―年草)  <準備するもの>・土・大きめの植木鉢(直播でもOK)・シードペーパー ※・水※シードペーパーとは、再生紙にさまざまな植物の種が漉き込まれているものです。一晩水につけてから土に埋めるだけで、植物を育てることができます。紙は自然に分解されて土に還ります。 初心者でも育てやすいカモミール(一年草)。3-5月頃(※)、春のあたたかさが感じられるようになってき頃に種を蒔きます。気温は15~20度くらいが理想です。日当たりと水はけがよく、風通しの良い場所で育ててあげましょう。庭の生態系を支えるコンパニオンプランツとしても優秀なカモミールは、家庭菜園のお供にもおすすめです。※秋蒔きも可能です。その場合は9~10月が敵期です。  <手順>1. シードペーパーを一晩、水に浸します。2. できれば大きめの植木鉢を用意し、園芸用の土を詰めます。種を蒔く前に土を十分に湿らせておきます。3. シードペーパーを置き、上に5mmほど土をかぶせます。再度軽く全体に水をあげます。4. 発芽するまでは土が乾かないように気をつけながら水やりを続けます。5. 7~10日で発芽します。混み合ってきたら間引きしましょう。発芽してからは、水やりの頻度を少し落とし、乾燥気味の状態で育てます。日当たりを好みますが、高温に弱いので真夏は半日蔭に移動します。2~3ヶ月後の5月~7月頃に開花します。※成長や開花のタイミングは環境によって異なります。 <収穫と保存の仕方>カモミールは、初夏に甘い香りの可愛らしい花を咲かせます。花の部分は、ハーブとしてさまざまな方法で活用できます。開花後3~4日経って、花の中心の黄色い部分が丸く膨らんできた頃が収穫のタイミングです。午前中の朝露が乾いた頃に、一輪ずつ花の部分を手で摘んで収穫します。花をこまめに収穫すると、長い期間にわたって花を咲かせ続けます。 フレッシュな状態で使用する場合はそのまま、乾燥させると1年ほど保存できます。乾燥させる場合は、ざる・網・ペーパータオルなどに載せ、花が重なり合わないように広げ、数日間風通しの良い場所に置きます。時折手で軽く混ぜて、まんべんなく乾くようにします。 しっかりと乾燥していることを確認してから、瓶などの密閉容器に入れ、直射日光を避けて保管します。乾燥剤を入れたり、冷蔵庫で保管してもよいでしょう。水分が残っていると、カビが生えることもあるので注意します。保存の目安は1年ですが、早めに使ったほうが良い香りを楽しめます。 <種とり>特に美しく、元気な株は種とり用にとっておきます。とった種や、こぼれ種からまた翌年も美しい花を咲かせます。 ―カモミールの性質  カモミールは人類の長い歴史を通して、癒しをもたらす植物として大切にされてきました。記録によると、紀元前1550年にはすでに薬草として用いられていたようです。ヨーロッパやアジアが原産とされ、北米や南米など各地に栽培が広まっています。花の持つ甘い香りから、ギリシャ語で「大地のリンゴ」という意味合いの名前が付けられました。また、聖なる植物として、世界各地の太陽神や精霊と結びつけられてきました。夏の太陽の季節に花を咲かせ、心身の癒しをもたらしてきたカモミールが、人々によって大切にされてきたことがうかがえます。 カモミールの香りは不安や緊張から心をやわらげ、落ち着いた気持ちを思い出させてくれます。カモミールの持つエネルギーはやさしく、やわらかですが、それは決して「効能が弱い」というわけではありません。近年の研究で、カモミールがさまざまな心身の不調の改善に役立つことが再確認されています。広く知られているだけでも、不眠症、不安、ストレス、アレルギー、抗炎症、美容、頭痛、消化器官、PMSほか女性のホルモンバランスの崩れに由来する症状、抗炎症、リラックス、鎮静作用など、多くの場面でサポートする力があります。子供が使用しても安心で、赤ちゃんの夜泣き改善、子供のストレス緩和や消化機能のサポートにも向いています。ぜひ、自分で育てたカモミールを収穫して、日々の暮らしの中に取り入れてみてくださいね。 ―カモミールのレシピ フレッシュなカモミールの花にそのままお湯を注いでハーブティーにしたり、エディブルフラワーとしてサラダの飾りにもできます。また、乾燥させて、お茶、シロップ、ポプリ、クリーム、オイル、バスソルト、ティンクチャーなど、さまざまな楽しみ方ができます。今回は自分をケアする時間のお供にぴったりなカモミールのレシピをご紹介します。 ※キク科の植物にアレルギーがある方は、使用の際にご注意ください。※妊娠中・授乳中・お薬を服用中の方は事前にお医者さまにご相談の上お召し上がりください <カモミールティー>カモミールを一番気軽に取り入れられる基本のレシピです。--材料・カモミール(フレッシュor乾燥) 大さじ2・水  --作り方フレッシュ...

# HEALTH# セルフケア#エンパワーメント

自然界に存在するわたし達が豊かに生かし合える世界 / ウィーバー佳奈さん

家族で暮らすカリフォルニア州ベイエリアを拠点に、地球上に存在する、多様な植物の種を未来に継いでいくための研究・活動をしているウィーバー佳奈さん。“人間は自然の一部であり、自然自体だ”という感覚を大事にしているという佳奈さんが、自身の出産を通じて思いを強くしたのは、自分が元気でいないと人を幸せにすることはできないということ。“私たちが自分をどう扱うかが世界をどう扱うかに繋がるし、世界をどう扱うかが自分をどう扱うかにもつながる”と語る佳奈さんに、人と自然が支えあって生きること、そして自分を大切するということについて聞きました。 ―五感で自然と世界を体感した子ども時代 幼少期を振り返ると、今の私につながる種があちこちに撒かれていたのだなと感じます。都心に生まれ育ったのですが、都会の中にいながらミクロな世界で自然に触れる機会がたくさんありました。通っていた幼稚園には田んぼや畑があって、みんなでお米や野菜を育てていて。田んぼを裸足で歩くと、足の指の間から土がニュルっと出てくる感覚や土の中からウワっと立ち込める生命の匂いを今でも思い出します。五感に染み付いているんですよね。その幼稚園では、カンボジアで地雷の被害を受けた子どもの支援というような社会活動もしていて、同じ地球の上で私とは全く違う暮らしをしている同い年の子どもがいるということを知り、なんでこんな状況が生まれるのだろうと強い衝撃を受けました。その頃から環境問題や社会問題に関心を持ち始めて、幼いながらに“人間という生き物として、この地球でどう生きていくか“という問いがいつも頭にありました。 ―種というのは、人と大地が紡いできた関係性の結晶なのだ 父の仕事の都合で7歳から10歳までをアメリカで過ごし、その後帰国。中学生の時は学校に馴染めず不登校だった中、9.11が起きたんです。色々調べていくうちに、地球が大変なことになっていることを感じて、“家の中でゴロゴロしている場合じゃない!”と奮起。環境問題に足を踏み入れたいという気持ちが高まり、その後の進路の方向性が定まっていきました。大学では、環境にやさしい農業と食のシステムの在り方を研究テーマとし、アフリカのモザンピークの農業開発調査をするように。現地で伝統的な農業や地域の在来作物の種を守っている女性たちの話を聞くうちに、種というのは、人と大地が紡いできた関係性の結晶なのだと感じました。何世代もの人たちが、その土地で自然と対話しながら、今の形に至るまで紡いできた長い道のりに気づいたとき、それまで個体として見ていた植物や種に対する見方がガラッと変わったんです。そうして、情報や可能性がぎゅっと詰まったカプセルのような種という存在にどんどん惹かれていきました。一方、ここ100年ぐらいの間に地球上の7~9割もの種が絶滅したと言われています。自然の中で生かし合う多様な種子を未来に継いでいきたい。この時に感じたことが今の活動の原点となっています。(写真)佳奈さんの種コレクション(ライ豆, にんじん、ポピー、ホワイトセージ、ジャカランダ等) ―産後の経験から自分を大切にする方法を学んだ、セルフケアの第一歩は耳を傾けること オランダの大学院の研究室で出会ったパートナーと結婚し、妊娠。今後どこに暮らそうかと話し合い、妊娠中に彼の出身地であるカリフォルニアへ引っ越しました。産後、すぐ研究に戻りたい気持ちとは裏腹に、体は思うように動かず…。私は、自分を犠牲にして活動するのではなく、自分を大切にしながら自然界や他の全ての存在を大切にするというのが一番持続的な活動方法だと考えているので、まずは自分の体を最優先させることにしました。ところが、私自身が自分を大切にする方法を知らないことに気がついたんです。私たちの世代は特にかもしれませんが、学校でも社会でもどちらかというと協調性が重んじられて、自分を大切にするということをあまりやってこなかったと思うんです。誰からも強いられていないのに無意識に自分のニーズを我慢して、相手や子供のニーズに応えるという癖がついていたんですね。産後は、それに一つ一つ気づいて、自分に意識を向け直すという作業の繰り返し。そうやって、自分を大切にするということを少しずつ学んでいきました。(写真)アーバンパーマカルチャー実践者でもあるパートナーのアントニオさんと息子のリオ君 自分を大切にすること、自分を愛するということ。言葉で理解しつつも、いざ行動に移すとなるとどういうことなのだろうと戸惑ってしまう人も多いのではないでしょうか。私にとって、セルフケアの第一歩とは、耳を傾けることです。自分自身との関係、人との関係、植物との関係、どれもそうですが、まずはそこにいる相手に耳を傾けて話を聞いてみる。植物だったら、感じてみる。そうした時にどういう感覚が湧き上がってくるのか、自分の内に耳を澄ましてみる。スマホやパソコンから情報が溢れ出てくる現代の暮らしでは、自分以外のことに意識を向けながら一日を過ごしがちです。だけど、これまで聞く習慣のなかった自分の声を拾い上げて、そういう声があるんだということを受け止めてあげる。地味かもしれませんが、そこがセルフケアの入り口です。たとえば、今コーヒーを飲んでいるけれど、本当はチャイが飲みたかったかもしれないというような内なる小さな声。些細なことだけれど、そういう心の声を意図的に丁寧に感じてあげること。自分に対してそれができないと、人や自然の声にも耳を傾けることができないと思うのです。 ―自分を大事にしながら地球と調和した暮らしをしていきたい 産後の体にパソコン作業が負担に感じたので、種や植物に関する講演会を開くなど、できることから少しずつ仕事を再開しました。ずっと学者の道に行くというビジョンを持って、昨年までカリフォルニア大学サンタクルーズ校の環境学部に在学していたのですが、去年大学を辞めました。きっかけとなったのは、パートナーのおばあちゃんが亡くなったこと。90歳を超えて大往生だったのですが、死を受け入れて過ごすという最期の日々を一緒に過ごさせてもらったんです。自然の死のプロセスを目の当たりにして、残りの人生何かできるかな、もし数年後に死ぬとしたら今何がしたいかなということをすごく考えました。そして出た答えが、自分という素材を使って世界に貢献したいということ。大学は素晴らしい環境だったし、研究も楽しかったけれど、知識がパブリックに広がっていかないということがフラストレーションでもありました。私がこれまでいただいてきた貴重な体験や知識をもっともっと広くシェアしたい。残りの人生で今が一番若いのだから、やりたいことをしようと思うようになったんです。(写真)まだ未熟な花豆 今は種子の保全活動、人同士をつなげる活動や研究をしながら、植物とセルフケアの教室やオンラインスクールを立ち上げてやっています。今アメリカに地域の在来種を集めて、コミュニティで保存していくという取り組みがあるのですが、日本でも同じようなことができたらと考えています。今、自然の循環の中で生きることを体現してきた先人たちが高齢化し、すぐに受け継がないと残せなくなってしまう声がたくさんあります。これからの地球の在り方の一番ヒントになると思うのが、植物や大地と密接に関わって関係を紡いできた人たちの軌跡。アメリカでもネイティブアメリカンの方から生きる知恵を学び直そうというムーブメントがありますが、同じことが世界中で起きています。私たちが今方向転換して、人と大地、自然が互いを生かしあう関係を再構築し、健康な未来を次世代につないでいきたいんです。 ■  Koa Weaver 佳奈 (ウィーバー佳奈)  民族植物学者、薬草専門家、自然療法ウェルネスコーチ。一児の母。世界を旅しながら、各地の植物の美しさ、薬草学、種の多様性、植物にまつわる文化の多様性を次世代に手渡す方法について探究。東京大学大学院修士、オランダエラスムス大学社会科学研究所修士。カリフォルニア大学サンタクルーズ校環境学博士課程単位取得退学。国際民俗生物学会所属。米国自然療法ウェルネスコーチ資格。植物とのつながりを通じて、自分のことも地球のことも大切にする暮らしを実現することに関心がある。植物、ハーブ・薬草、セルフケア、生物文化多様性保全の分野で講座、コンサルティング、執筆、通訳などを行う。米国カリフォルニア州バークレー在住。好きな食べ物はパイナップルグァバ。 instagram: @seedfromearthYoutube: たねチャンネルHP:Seed from Earth公式サイト Text&Edit : Nao KatagiriPhoto : From Koa Weaver KanaInterview:cumi

# HEALTH# 自分らしく生きる#SUSTAINABLE#パーマカルチャー#ライフステージ

私たちの冬至の迎え方 ーコミュニティーハーバリストPaiさんのハーブティーレシピ公開ー

冬至(とうじ)とは、一年で最も昼の時間が短く、夜が長い日のこと。今年の北半球の冬至は12月22日(金)。自然と調和して暮らしてきた昔の人、ネイティブアメリカンにとって冬至はどのように捉えられてきたのか。彼らから知恵を授かり、今を生きる私たちはどのように迎えるのか。サンフランシスコ・ベイエリアで暮らすコミュニティーハーバリストのPai Miyuki HiraiさんとSISIFILLE(シシフィーユ)ブランドコミュニケーターcumiが、日頃よく訪れているレッドウッドの森の中で、冬至の過ごし方について語り合いました。Paiさんのハーブティーレシピと合わせてお届けします。 ―今在る場所、マザーアースに感謝する Pai:冬至は冬が至る(きわまる)と書いて、「日短きこと至る」と言う意味を持つんよね。  cumi:太陽の光が一番弱まる時期と捉えられているけど、身体はそれを感じとっているような気がする。ゆっくりしたい感じがするし。 Pai:12月はスローダウンよね。外に出て新しいことを始めるというより、一歩下がって、中に入って、自分を見直す時期。ネイティブアメリカンの冬至は、山に入ってその一年のお礼を伝えて過ごすんよね。お家の中に籠って、家族に美味しい料理を振る舞う。家族、コミュニティーに栄養を与える時期。 cumi:1年の締めくくりだし、全てに感謝を伝える時だよね。今日はカリフォルニア・オークランドにあるレッドウッドの森、Joaquin Miller Park(ホアキン・ミラー・パーク)に来ているけど、ここは私たちがこの1年よく訪れてはエネルギーを分けてもらった場所。(写真)カリフォルニア・オークランドのJoaquin Miller Parkのレッドウッド Pai:この1年のありがとうを伝えたくて来たんよね。すごくお世話になったから。冬至というと日本だったら柚子風呂とか冬至カボチャを食べる風習があるけど、柚子は香りが強いから、邪気を払うという意味で取り入れられてきたのは納得よね。 cumi:そうだね。かぼちゃは夏野菜だけど陽の野菜と言われているし、身体を温めて一年の疲れをとるのにもぴったり。これも昔の人の知恵だよね。心を落ち着かせてゆっくり、感謝する時間にもしたい。この時期は人にお礼を伝えることが増えるよね。それはとても良い習わしだけど、人の中だけで忙しくしていると、自分が日々過ごしている場所、マザーアースへの感謝というのが欠けてしまいがちだよね。 Pai:それはさ、現代社会が自然界から切り離されているからなんよね。本当は、場所と自然とコネクトしていなきゃあかんと思うんよ。でもみんな忘れてる。自然に遊びに、癒されに行くけど、自然とつながりに行かなきゃよね。オファリング(お供え物)を持参していくのがいいんよ。私は山に入る時、自然に触れる時に、自分が最近ドライにしたハーブとかティンクチャーを持って行って、その土地にお供えするんよ。私はあなたのことリスペクトしていますよ、ありがとう、という気持ちを自然にわかってもらうための意思表示は大事だよね。今いろんな国、場所で、女性が生理の血を大地に還すという動きが起こっているんだけど、それは大地に感謝の気持ちを伝える行為なんよね。昔は当たり前のように行われていたこと。(写真)レッドウッドにハーブティーをオファリングするPaiさん cumi : 自分自身が自然とつながっていることを実感するためにそうするとも言うよね。私たち人間はもともと土とつながっていて、いずれはこの土に還っていくんだと考えると、血を還すという行為はすごく自然なことだよなぁって思う。つながっていると感じられるから感謝の気持ちが生まれるんだと思うし。 Pai:昔の女性は生理の血を調整できたと言うよね。それも結局自分とつながっていないとできないわけやん。自分を整えるということを現代では忘れがちよね。産婆さんやドゥーラの人たちが昔はその方法を教えていたのに、いつからそれがなくなったんだろうって不思議なんよね。 ― グラウンディングして、自然とつながる時間を持つ cumi : 月経血コントロールのことだよね。骨盤底筋を締めて、経血を溜めて一度にトイレで出すという方法。昔は当たり前にできていたことが生活や環境が変わって出来なくなっていったんだよね。でもここ10年くらいでそういったことが一部では見直されてきて、ヨガや産婦人科医の先生が月経血コントロールや膣トレを広めている動きもあるよね。その中では布ナプキンが勧められていることが多いけど、肌に直接あたる一枚に自然素材を選ぶことにも意味があると思っていて。それも自然とつながるということじゃない。 Pai:女性が土から絶たれているのはよくないし、常に自然に触れておくことは大切よね。だから私たちも頻繁に山に入るようにしてるやん。体がそれを欲しているから。女性がグラウンディングしたら世の中は絶対良くなる。(写真)レッドウッドから生えてきた新芽cumi : 女性はライフステージのどこかで立ち返ったり、気づけるタイミングが多いから、大事な気づきを伝えていく役割を担っていると思うんだよね。それが女性性に紐づく。 冬至はそういうところにフォーカスするのもいいかもね。自分の女性性を見直したり、ちゃんと自然とつながってるかなっていう確認をする。この忙しい時期にあえて自分のために使う時間を持つというのも、自分に対してケアしているよ、いつもありがとね、っていうメッセージになると思う。冬至だからといって大それたことをする必要はないよね。近所とか職場の近くの公園の木の下とかで過ごしてみるだけでもいい。 Pai :...

# HEALTH# ORGANIC# PERIOD#SUSTAINABLE

「well-being(ウェルビーイング)」を体現する / Mao Brazilさん

現在1歳になる男の子を育てながら、ご自身で立ち上げられたヘルスケアブランド『HARVEST SPOON』と、ローカルオーガニックとヴィーガンをコンセプトにした『COSMOS JUICE TOMIGAYA』を営むMaoさん。モデル、ケータリング業を経て、人の身体と心の健康に寄り添う仕事をしている彼女が考えることとは? 後編では運動、食、そしてブランドとお店立ち上げの背景から、Maoさんが日々大切にしていることについて伺いました。気軽な気持ちで始めた運動と食事への気遣いが、その後の10年にもたらしたこと 運動を始めたのは20歳の時、あるランニングチームに誘われたのがきっかけでした。当時はモデルをしていたので、身体づくりと生活リズムを整えるために軽い気持ちで始めたのですが、翌年にはロンドンで10キロのマラソン大会へ出場し、その翌年には名古屋ウィメンズマラソンでフルマラソンを完走しました。大会へ出場するたびに仲間と一緒に走る楽しさを感じつつ、後半はもう自分との戦い(笑)。根性で走りきることもありましたが、完走した時の達成感はたまらないものがあります。その後も定期的に大会へ出ながら、ランニングは妊娠するまで続けていました。身体を動かすことは自分にとって不可欠だと自覚しているので、妊娠中から産後も自宅でYouTubeを見てヨガやトレーニングをするなど、無理せず自分のペースで運動を続ける日々です。一方食に関しても、東京へ来た頃から体調を優先してできるだけオーガニックの野菜を食べたり、食材はファーマーズマーケットで買うようにしたりしてきました。そこで出会う農家の方々や、自然と調和して暮らす人たちの話を聞くと環境問題への関心の高さに共感できたり、私自身のマインドとも近いものを感じられたり、とても心地が良かったんです。 そして、食へのこだわりがより強くなったきっかけは妊娠でした。身体が添加物を受け付けなくなったことや、出産のためにハワイ島の大自然の中で暮らした経験から、それまで以上に食べる物の持つ力を強く感じることが増えたんです。さらに、地元で採れたフレッシュな物をいただく美味しさを体感し、それを作る方々の想いが直に聞ける安心感を得られたことで、「いただきます」や「ごちそうさま」と言う時の感謝の気持ちがより深まりました。今では、野菜はできるだけ各地の農家さんから直接オンラインで取り寄せたり、遠出した時は道の駅で買ったりしています。私が運動と食事両方において大切にしていることは、それをストレスにしないということ。例えば運動を始めた当初は「モデルとして理想的な身体にしたい」という目的もありましたが、そうすると「ここがダメだ、ここが引き締まっていない」とか、見た目ばかりを意識してしまって辛くなってくるんですよね。でも私は、運動をすることで身体だけでなく、心まで健康になるのを感じたんです。日々の生活に追われて行き詰まったりイライラしたりする時、身体を動かすことで無になれて、心に余白ができる感覚。それは自然に触れることにも似ているんですけど、運動をして身体と心の両方を健康に保つことで、本来の自分を取り戻せるのを感じています。 パンデミックの最中、健康と幸せについて考える中で生まれた『HARVEST SPOON』 そうした中で、パンデミックが到来したのが2020年。家にいながらゆっくり考える時間ができ、健康で幸せであることの大切さについて考え、再認識できた時期でした。そして自分が感じていることを反映させたものを作りたいという想いから、それまで私が飲み続けてきた酵素を使ってサプリメントブランドをスタートしました。それが『HARVEST SPOON)』です。それまでも、その酵素を飲むことで腸内環境が整えられたり、お酒を飲んだ後も調子が良いのを感じ、私自身手放せないものになっていました。そんなお守りのような存在だった酵素でサプリを作るため、大学のチームと一緒に研究するところからスタートしました。私たちが作るサプリには、耐熱性で、生きて身体の中に働きかけるバクテリア由来の酵素を使っているのですが、緑茶に含まれるカテキンと一緒に摂ることでその効果がより高まることがわかったんです。そこから緑茶を育てている農家さんを探し、50年以上前からお茶を有機栽培されている伊勢のお茶屋さんに巡り会いました。また錠剤のサプリメントには粘着剤にパーム油が使われていることが多いのですが、インドネシアではその原料となるアブラヤシが伐採され、オラウータンの住処が破壊されていることが社会問題になっているのを知っていたので、パーム油は使いたくなかったんです。そのために高圧プレスができる日本の工場を探し回りました。資材も環境に配慮したものにこだわりました。容器はリユース、リサイクルできるもの、緩衝材と梱包材にはプラスチックを使わない、そしてラベルやテープは植物性の粘着剤が使われているものを選ぶようにしています。こうして自分のやりたいことを実現していたら結局1年という期間がかってしまいました。それでも気持ちがブレずに形にすることができて良かったと思いますし、資材については環境に優しいことを優先してこれからもどんどんアップデートしていくつもりです。出産のために滞在したハワイでの日々と、私の思いをつめ込んだ『COSMOS JUICE TOMIGAYA』 この考えは、今年の5月にオープンしたジューススタンド『COSMOS JUICE TOMIGAYA』でも同様に取り入れています。ショップの立ち上げは、出産のために滞在したハワイ島での日々がきっかけでした。 ハワイでは毎週、ファーマーズマーケットへ出かけ、地元で採れた新鮮でエネルギーの詰まった野菜を調達していました。その野菜がとにかく美味しかったのと、生産者さんとのコミュニケーションが本当に楽しかったこと。美味しさと楽しさが相まって、気分も体調もとても良かったんです。結果として4ヶ月間、私たち夫婦は毎朝ジュースを飲んで過ごし、最後にはジューサーが壊れたほど(笑)。 そして日本に帰っても同じことができたらなと思い、このジュースバーを立ち上げました。今回は、夫もそうですが、家族や友人、仲間たちと一緒になって1からお店作りをしたんです。カウンターを設置したり、壁にやすりをかけてパテやペンキを塗ったり。息子を抱っこしながら、できることは何でも自分たちでやりました。その地域にいる人々にも受け入れてもらえるよう、ナチュラルでカジュアルで、手作り感のあるお店を目指して。おかげで私自身も行くたびに元気になれる空間になったと思います。お店で出すメニューやレシピについても、サプリと同じく細部までこだわりました。メインはコールドプレストジュースとスムージーで、コールドプレストジュースは全て国産の無農薬野菜、果物を使っています。スムージーに入れるものは海外からのものもありますが、全てオーガニックで作られている野菜や果物で作っています。取引先の農家さんとも直接やりとりをしていて、畑を見に行ったり話を聞いたりして、作物が作られる背景が信頼できるものを選んでいます。その時旬の食材を使って作っているので、メニューも頻繁に変わりますが、その分いつ来ていただいても飽きずに楽しんでもらえると思います。 あとは、看板メニューでもある「ショット」がおすすめです。オーガニックの生姜と沖縄のウコンをメインに、旬のフルーツや野菜を入れて飲みやすくしていますが、これが本当に元気になる! 私はお店へ行くたびにそのまま飲んだり、他のドリンクにショットを追加して飲んだりしているのですが、もう欠かせません。 また、ドリンクを提供する時に使っている瓶はリユース・リサイクルができるものにしていて、カップはコンポスタブル(生分解性)のものを使っています。「HARVEST SPOON」を始めた頃から実施してきた、ゴミになるものはできるだけ使わないということ、これはジュースバーでも引き続き妥協せずに続けていこうと思っています。人と自然に魅了されながら今、自分ができる「well-being(ウェルビーイング)」を体現するこうして振り返ると、運動と食事がもたらす私の心地よさ、快適さの延長線上に『HARVEST SPOON』と『COSMOS JUICE TOMIGAYA』があるのは必然だと思います。どちらも人と人であり、人と自然の結びつき。運動するのも人がきっかけだったし、食に関しても自分と同じマインドの人々が作る食材を手にとるようになりました。そして健康にいい物を作りたくてサプリを作っては、必要としてくれる人へ届けている。日々、お店へ行ってスタッフと一緒にメニューを考えたり、お客さんとコミュニケーションをとることもとても楽しいんです。だから今はこうして、私なりに自分に対しても、家族に対しても、周りに対しても、「well-being(ウェルビーイング)」を感じられる場所やものを作ることを大切にしていきたいと思います。 今後の願望? そうですね、やっぱり私は自然に助けられていると思うから、またいつか自然の中で暮らしたいです。ハワイ島では海に浮いているだけで本当に幸せで楽しかったんです。大人でも子供に戻って過ごせる場所へ、感性豊かな息子にはできるだけ早いうちから自然に触れさせたい。息子には、暮らす環境、自然に敬意を持ち、植物や動物をはじめ全ての命を大事にして欲しいなと思います。■ Mao Brazil/『HARVEST SPOON』Founder、『COSMOS JUCE...

# HEALTH# ORGANIC# 自分らしく生きる#ライフステージ

選択肢が広がる妊娠期、出産こそ自分らしく ー水中出産を通して感じたことー Mao Brazilさん

モデルとして活躍する傍ら、食に対する関心からケータリングサービスを始動。現在は、ヘルスケアブランド「HARVEST SPOON」を運営しながら、ローカルオーガニックとヴィーガンをコンセプトにしたジュースバー「COSMOS JUICE TOMIGAYA」を立ち上げるなど、一貫して心と身体の「well-being(ウェルビーイング)」を追求するMaoさん。そんなMaoさんは、昨年の10月にハワイ島にて水中出産し、現在一児の母でもあります。前編の今回は、自身の生い立ちからパートナーとの出会い、妊娠、そしてハワイでの水中出産について。これらの体験とMaoさん自身の向き合い方について伺いました。 ー大阪で天真爛漫に育ったMaoさんがスポーツを通してパートナーと出会うまで 自分の子供時代を振り返ると、屋内で遊ぶより、外へ出かけて男の子と一緒になって遊ぶような活発なタイプでした。大阪で生まれ、中学時代からモデル業を始めましたが、ベースは粉もの文化の根強い大阪で、3人兄弟の長女として天真爛漫に育った女の子という感じ。一方で、小学生の時に「にがり」が健康に良いというテレビ番組を見たら、お小遣いを貯めて豆腐屋さんへにがりを買いに行ったり、両親の影響で酵素を飲むようになったり、そんな一面もありました。 20歳の時に拠点を東京に移し、モデル業を本格的にスタート。交友関係が広がっていた頃、あるランニングチームとの出会いがターニングポイントのひとつでした。自分としても身体の変化を見つめ直し何か運動をやりたいと思っていたタイミングで、走ることを始めました。そしてそのランニングチームが縁となり、もともと顔見知りだった夫との交際をスタート。それが2018年の話です。彼と出会った時、ルールや形式に囚われずに自分の好きなことを貫いている姿を見て、この人と一緒にいたら人生がもっと楽しく、自由で無限の可能性があるように感じられるだろうなって思いました。マインドやライフスタイルも同じ方向を向いていて、それから3年後の2021年に結婚したのはとても自然な流れでした。 ー2022年、ハワイでの水中出産を決断献身的、手厚くサポートしてくれるミッドワイフとの運命的な出会い そして昨年の10月に男の子をハワイ島で出産。妊娠する前から漠然と水中出産をしたいという思いがありました。水中出産は、赤ちゃんが羊水から水に出てくる時に抵抗なくスムースに出てくることや、赤ちゃんも母体もリラックスして分娩できるということを聞いて、ミッドワイフ(助産師)と家族とのプライベートな空間でより自然にお産ができることに惹かれました。夫もあっさり「いいね」と共感してくれて。 妊娠初期、身体や心の変化について振り返ると、まずは悪阻がキツかったことを思い出します。妊娠が分かってから3ヶ月くらいは何もできず寝たきり。眠いし辛いしでずっと家にいて、卵やお肉を身体が拒絶するようになり食べられる物もフルーツだけでした。同時に添加物の入った食べ物に反応するようにもなってしまい、そういったものを摂った翌日は1日寝込んでしまうこともありました。大変な中でも自分の身体について気づきや発見のある3ヶ月間でしたね。 悪阻が少し楽になってからは産む場所とあわせて、出産を全面的に手助けしてくれるミッドワイフ探しを開始。夫の名前「LONO(ロノ)」はハワイにルーツがあり、平和の神様の名前と同じなんです。子供も彼の名前を継ぐので、それならハワイで出産をして縁を紡ぐのもいいなって。ちょうど同時期にハワイ島で住む場所を貸してくださる方と出会えたこともあり、引き寄せられるように話が進みました。  出産予定月の3ヶ月前にあたる7月に、生活する環境の下見と、ミッドワイフとの顔合わせを兼ねてハワイ島を訪れました。私たち夫婦は共にこの時が初めてのハワイ島だったのですが、ミッドワイフとの出会いは特に印象的でした。 彼女にぎゅーっと強くて温かいハグをしてもらい、一気に信頼感が増しました。そして彼女の妊婦さんと出産に対する愛情深さ。どんなことでも細かくメモを取ってくれたり、パーソナルに接してくれる姿勢も誠実に感じました。実はその時お腹の子が逆子だったんです。でも「全然問題ない。命が生まれる時は生まれるから。」と言ってくれたこの人なら、大丈夫だって確信したのを覚えています。 そして一旦帰国して再度9月にハワイ島へ渡りました。ミッドワイフには日本からも赤ちゃんの状態を伝えていましたが、ハワイ島へ行ってから出産までは週1回、2時間くらいいろんな話をしてくれました。場所は家だったり、彼女のオフィスだったり、ビーチや行きつけのカフェだったり。そこで普通の会話をしながら、生まれてくる赤ちゃんの状態や母体の話、実際に陣痛が来た時やその後どうなるかなども、夫を交えて分かりやすく話してくれました。その時間があったことで、ママだけが頑張って産むのが出産という感覚ではなくなっていけたのはとてもよかったです。あとはハーバリストでもある彼女お手製のプレグナンシーティー(ハーブは主に自家製のもの)やバーム、エッセンシャルオイルを使ってケアしてくれていたのもとても心地よくて。産後は、赤ちゃんに対しても同じようにケアしてくれました。 ー出産目前には、イルカと一緒に泳ぐハッピーな体験も 予定日の1週間ほど前、もういつ生まれてもおかしくないということで、自宅のリビングにプールを準備していました。そんな状況の中、やりたいことの一つだった、妊娠中にイルカと泳ぎたいという想いを抱えていました。妊娠しているとイルカが寄ってきてくれるという話を聞いたことがあったからです。それをミッドワイフに話すと「○○なら、イルカと泳げると思う」と教えてくれて、早速その場所へ行ってみたんです。時刻は早朝5時ごろ、ビーチへ行くと遠く沖の方にイルカたちがジャンプしているのが見えて。そこにはマイクさんというおじいさんが1人いて、私を見て「妊婦さんだ!」と喜んでいて(笑)。彼が「今日は、ドルフィンベイビーが見れるかも!」ってどんどん沖まで泳いでいくので、夫と私も着いて行ったんです。そしたら子供のイルカも含めて40頭くらい、たくさんのイルカが私たちの近くまで来てくれて。そうなると鳴き声も歌っているように聞こえるんですよ。まるで祝福されているかのようで、とてもハッピーなひと時でした。 ーとても穏やかな水中出産と、不便だからこそよかったハワイ島での日々 予定日の朝、生理痛のようなお腹の痛みを経て陣痛が来て、その日の夜に息子を出産しました。陣痛が1分間隔になってからミッドワイフが来てくれたのですが、部屋では夫がこの日のために作ってくれたプレイリストがずっと流れていました。私はというと、ずっと裸でうろうろしていました。辛くなったらシャワーで腰を温めたり、楽な姿勢で寝転んだり、太陽の光を浴びたり。その間、栄養補給のために夫やミッドワイフがフルーツを切ってくれたり、ココナッツウォーターを飲ませてくれたり、一番落ち着く空間で家族とリラックスして過ごしながらその時を迎えました。 生まれる時は、プールの水中に自分で腰を落として、私が自分の手で子供を水の中から引き上げました。胎盤が出てからもすぐにへその緒を切らず、1時間ほど初乳を飲ませながらベッドで横たわって過ごしました。へその緒はその後、夫とミッドワイフがろうそくの火で切ってくれて、その炎を私が吹き消して「ハッピーバースデー!」となる。やっと会えたという感慨深さ、赤ちゃんの柔らかさに驚き、終始感動しながら、たくさんの感情が込み上げて来ましたね。 (写真)へその緒をロウソクで切る瞬間 胎盤は、母体と赤ちゃん両方の身体と心に有効な栄養があるそうで、後にミッドワイフがラボに持ち込みサプリにしてくれました。産後もミッドワイフは頻繁に検診に来てくれて、食材や日用品の買出しや私と赤ちゃんの心身のケアなど、常にサポートしてくれて家族のように過ごせたのは心強かったです。 その他にもいろいろと振り返ってみると、産後ハワイ島で過ごした3ヶ月間は本当に貴重な時間でした。家族だけで大自然の中で子育てに向き合って過ごせたのもとてもよかったです。便利なものはなく、買い物もローカルのスーパーで手に入る限られたものだけ。ただ、外へ出かければ人々が優しくて、地元コミュニティーから分け与えてもらうご飯は温かい。そんな環境がストレスフリーで過ごせた理由の一つだと思っています。 (写真:左から)ミッドワイフがブレンドしてくれたハーブティーと瓶詰めされた胎盤サプリ、イルカと泳ぐ際に導いてくれたマイクさんからもらったイルカのクリスタル、ハーブオイル屋さんが「パートナーにお腹に話しかけてもらいながら塗ってもらってね」と言って突然くれたというオイル。全てハワイでの思い出や時間が凝縮されたMaoさんのお守り。 ー帰国した今、考える子供との未来や命の迎え方について 帰国後はジュースバー「COSMOS JUICE TOMIGAYA」の立ち上げ準備などで忙しく過ごしていて、気づけばもうすぐ息子が1歳になります。今の時点で子供に対して、ああしたい、こうしたいという具体的なことはありませんが、小さなうちから自然と触れさせたいと思っています。そして息子が生まれたハワイ島とのつながりも親として大切にしていきたい。私が水中出産を選択したのは、できるだけ自由でナチュラルな形で、出産までの過程も含めてより自分が責任を持てる形で子どもを産みたかったというのがあります。息子には、いつか出産に立ち合いサポートしていく側になるかもしれないことを考えると、命が生まれることの深さやそれが奇跡であることをちゃんと感じられる人になって欲しいなとも思います。 そして産前から産後まで、ずっと見守っていてくれたミッドワイフが私に対して、アドバイスやサポートをしながらも、絶対に何かを決めつけたり、誘導したり、こうすべきとは言わなかったんです。あくまで私自身が道筋を作って、私がやりたいようにやってくれた。日本ではまだまだポピュラーではない水中出産や自宅出産ですが、妊娠・出産・子育てに関する考え方や選択肢、どうしたいかは人それぞれであり、自分自身で選べるんです。私自身がとても奇跡的でいい時間を過ごせたので、そんな方法もあるということはをいろんな人に知って欲しいなと思います。 ■ Mao Brazil/『HARVEST...

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更年期に取り入れたい植物療法「フラワーエッセンス」

誰しもが通るライフステージでありながら、これまであまりオープンに語られてこなかったメノポーズ(更年期)のこと。健やかに更年期を乗り越えるには、正しい知識や心構えを身につけておくことが大切です。今回は、ご自身もメノポーズと向き合っている最中だというコミュニティハーバリストのPai Miyuki Hiraiさんに、メノポーズとの付き合い方、そして症状を和らげてくれるフラワーエッセンスについてお話ししていただきました。 ―フラワーエッセンスを通じて自然とコネクトする メノポーズは「ゆらぎ期」とも言われるように、女性ホルモンのバランスが崩れることで敏感になったり、不安定になったりと心身のバランスを崩しやすい時期です。不安定さを感じる時は、自然とつながることで心身のバランスを整える「グラウンディング」が有効。山に入ったり、土に触れたり、植物と話したり、自然とコネクトすることで人間本来の力を取り戻すことができます。そして、自分も自然の一部であることを感じることで、今起きている変化を素直に受け入れることができるかもしれません。また、今自分はどんな状態にあるかなと観察したり、心の声に耳を傾けたりすることも大切です。更年期症状の代名詞であるホットフラッシュはイライラしている時に出やすくなるなど、更年期の症状は精神状態と密接に関わっています。 更年期のイライラや不安を緩和させるケアとしてオススメなのが、フラワーエッセンス。フラワーエッセンスとは植物が持つエネルギーを水に転写したもの。植物のエネルギーを利用して精神や心に働きかけてくれるフラワーエッセンスはメノポーズととても相性が良く、また手軽に自然とつながれるツールでもあります。 私がフラワーエッセンスを作るときは、水を入れたグラスを持ってコネクトしたいと感じたお花の側に座って目を瞑り、30分から1時間ほどかけてお花からのメッセージを受けとります。植物の有効成分を抽出させるティンクチャー(チンキ)とは違い、媒介者(作る人)を通じて植物から受け取ったメッセージが転写されるのです。そう聞くと、スピリチュアルだとか、なんだかあやしいと感じる人もいるでしょう。もし肯定的に受け取ることができないのであれば、今のあなたはフラワーエッセンスを必要としていないということ。無理強いする必要はなく、必要だと感じるタイミングに取り入れてほしいなと思います。 (写真右から)Dessert Alchemyのオレゴングレープ、Mighty Thoughtful Medicineのレッドウッド、ALASKAN essencesのジェダイトジェイド(全てPaiさん私物のフラワーエッセンス) ―メノポーズに取り入れたいPaiさんオススメのフラワーエッセンス -オレゴングレープ 恐怖心や不安感などからリリースし、バリアを解いて自分や人を信じることを思い出させてくれる。ホルモンのバランスを保ち、女性性を取り戻すサポートをしてくれる。 -レッドウッドグラウディングするのを助けてくれる。 -ジェダイトジェイド平和・バランスを保ち、イライラしたり、揉め事やトラブルなどに巻き込まれたときに乗り越えるのを助けてくれる。現状を受け入れ、本当の自分の良さを引き出す。 -フラワーエッセンスの取り方-1日3〜4回、1回に3〜4滴を目安に、直接口に滴らすか、飲み水などに入れて摂ります。1ヶ月を目安に続けてみてください。  ―更年期とポジティブに付き合うには メノポーズという言葉を聞いてみなさんはどんな印象を持つでしょうか? 世の中には、歳を重ねることをネガティブに捉える人は少なくありません。そのせいか、更年期に起きる心身の変化を受け入れることができない人も多いように感じます。例えば、閉経を迎え、「女性性が失われるのでは」と不安になる人もいるかもしれません。私は自分自身のペリメノポーズ(プレ更年期)からメノポーズを通して、女性性の終わりではなく、むしろ「ここからが新しいはじまりだ」と感じました。社会的な立場として定義付けられた“女”や“男”ではない、ジェンダーを超えた存在に近づくような感覚。それはもしかすると人間の一番美しい形なのかもしれないと思ったんです。 更年期は誰にでも訪れるものなのに、世の中では“隠すべきもの”として扱う風潮がまだまだあります。一方、私の住むサンフランシスコのベイエリアでは、「もっとオープンに話をしようよ」という空気感がどんどん広がってきています。私が参加している40~50歳の女性が集うコミュニティでは、月に1度集まってお互いの状況をシェアしていて、そこでは自分自身や家族、暮らしのことなど何でも話をします。アメリカでは自分の考えていることを人前で話す機会がたくさんありますが、私は日本で育ちそういう環境に慣れていなかったこともあり、最初は個人的な話をすることに戸惑いがありました。でも、いざ心の声を口にしてみると、その行為自体がヒーリングにつながるということに気づいたんです。 メノポーズのことも決して不幸自慢ではなく「私は今こうなの」とオープンに話したり、また他の人たちの話を聞いて「私だけじゃないんだ」と力をもらったり。私がメノポーズやエイジングをポジティブに受け入れることができたのは、そういう場所があったからこそ。更年期に限らず生理や性の悩みもそうですが、女性が心を閉ざさずにもっとオープンになっていくには、安心して話をすることができる人たちがいて、お互いに助け合っていけるコミュニティが必要です。そしてそういう場が増えていくことは、女性が前に出ることや意見を言うことを嫌うこれまでの封建的な社会をも変える力になると信じています。 ■ Pai Miyuki Hirai / コミュニティーハーバリスト 1997年渡米。ニューヨークを拠点にフォトグラファーとしての活動を始める。2001年に帰国し、中目黒にあった「gas-experiment!(後の大図実験)」を拠点に写真家として活動。その後自らもメッセンジャーとして働きながら仲間たちの写真をドキュメントする。2012年に再渡米。現在は母であり、サンフランシスコにて植物と宇宙のエネルギーとつながりながら、コミュニティーハーバリストという肩書きでみんながより良い生活を送るお手伝いをしている。 instagram: @mighty_thoughtful_medicine...

# COMMUNITY# HEALTH# 自分らしく生きる

自分らしく美しく ―からだの中から整える― 新井佑佳さん

自分らしく生きている人を見ると、「美しい」と感じることがあります。美しさの定義は人それぞれに自由であるものですが、“自分らしさ” とはなにかを知ったとき、自分の求める美しさに近づくことができるのかもしれません。セラピスト暦15年目を迎え、食の分野などにも活動の幅を広げられている新井佑佳さんの場合は、身体の内側を整えることがそのきっかけになったと言います。 ―自身の身体の不調から、内側を整えることの大切さを知りました 本田:新井さんは現在、都内でオーガニックサロン「ayuca organic salon」を営んでいらっしゃいますが、どのような想いがあってこのお仕事を選ばれたのですか? 新井:子どもの頃から、美容の仕事についている人は年齢に関係なくずっと美しいと思っていて、その美しさにずっと憧れていたんです。私が通っていた美容学校は、トータルビューティーを学ぶことのできる割と珍しい短期大学。ヘアカットやメイクの授業はもちろん、健康美や精神美、花道や茶道、フィットネスに心理学と幅広い分野に触れる機会がありました。そこで内側まで美しくするセラピストという職業を知ったんです。 本田:当時は身体の外側へのアプローチを目的としたサロンの方が目立っていたような記憶があるのですが、最近では身体の内側、心のケアができる場所も多いですよね。それは世間の関心が身体を中から整えることにも向けられるようになってきたからなのでしょうか? 新井:そうですね。自分がこの仕事に就いているからかもしれませんが、セラピストという言葉を当たり前に聞くようになった実感があります。リラクゼーションサロンの数も増えてきたので、外側だけでなく内側に癒しを求める人が増えているのかなと思いますね。 本田:少し前までは精神的な部分をオープンにすることに対して、ためらいを感じる方も多かったように思うんです。でも今は、いろいろな方法で自分の内側の部分をケアするみたいなことが一般的になりつつありますよね。 新井:私も元々溜め込みやすいタイプで、身体に不調があらわれてしまうことがありました。自律神経が乱れたり、円形脱毛症になったり。一番辛かったのは顔面麻痺になってしまい、薬の副作用で肌もボロボロになってしまったこと。その時に、いくら外側を美しく整えても、身体が元気で健康じゃないと、全部がダメになってしまうんだなと感じたんです。 本田:ご自身の経験が今に大きく関わっているのですね。新井さんはセラピストとして実際にお客様をケアされる時、どのようなことを大切にしていらっしゃいますか? 新井:マッサージに行った時、逆にすごく疲れて帰ってくることってありませんか? 癒しの空間すぎて陰の世界に気持ちが持っていかれてしまうというか。自分のサロンに来ていただいたお客さまには癒しを感じてほしいのはもちろんですが、また頑張ろうと元気になったり、幸せな気分になったり、いい気持ちで帰ってほしいと思っています。サロンの空間を楽しんで欲しいし、特別な空間だと思ってもらいたいので、おもてなしをするように施術することを心がけていますね。 本田:自分にフィットしたサロンかどうかということは重要ですよね。そういった場所や人に出会うことで感じ方や見える景色も変わると思います。自分自身が精神的に癒されると、周りに優しくなれたりも。 新井:そうですね。うちのサロンにはお子さんがいらっしゃるお客さまも多く、子育ても仕事もしていると、みなさんご自身の時間がなくてかなり疲れが溜まっているんです。そんな中サロンに来てくださって、施術を受けると心に余裕が生まれてハッピーになる。家に帰った時に家族にもやさしくなれるから、旦那さんも「行ってよかったね!また行ってきなよ」と言ってくれるみたいで。そういったお話を聞かせてもらうことも多く、とても嬉しく思います。 ―心が求める楽しい方へ向かっていくことが、美しさに繋がっていく 本田:新井さんは畑仕事もされていますよね。そのお話も伺いたいです。新井:以前、体調を崩しやすかった時に2年ほどマクロビオティックを学んでいた時期があって。マクロビ食を取り入れてみたところ、体調だけでなく精神的にもとても安定して驚いたんです。そこから「身土不二(しんどふじ)」とか「一物全体」っていうことばが自分の中でスッと腑に落ちて。私は群馬県の神流町(かんなまち)という、山に囲まれた町で生まれ育ったんですが、地元で父のはじめた畑を手伝うようになったんです。水と緑に恵まれた場所で一から無農薬で作って、野菜や果物の成長する過程を見て学びを受ける。続けていくうちに野菜への愛が膨らんで、月に一度は必ず帰って畑に触れています。 本田:そういった経験を通して、サロンでのお仕事に活かされていることも多いのではないでしょうか。 新井:その通りなんです。自宅ではこういう食事をとった方がいいですよということがアドバイスできるようになったのは大きいですね。より多くの人に食事の大切さや楽しさを広めたくて、田舎暮らしを体験する地元のツアーや料理教室、食に関するセミナーも開催するようになりました。 本田:サロンでは、経営から接客まですべて新井さんお一人でされているのですよね。ご自身のペースで働ける環境があるからこそ、そういった活動にも精力的に取り組めるというところがあるのでしょうか。 新井:そうですね。昨年地元のツアーを開催したときに、自分がやりたかったことが徐々に形になってきていると実感できました。勤めていたころは「次は何時にお客さまが来ちゃう!」とか「施術の時間はオーバーしちゃダメ!」など時間と周りを気にしてしまうところがありましたが、独立して一人で働くようになってからはそういった焦りがなく、お客様一人ひとりにゆっくり寄り添うことができるようになった気がします。お客様が満足して帰ってくれることが一番なので、今の環境やペースは自分に合っているなと感じています。 本田:新井さんのインスタグラムには、おすすめの調味料やおいしそうな料理の数々が並んでいて、とても興味深く拝見しています。サロンでの施術だけでなく「食」に関することも含めてホリスティックにお客さまをケアしていく方向になっていっていますよね。今後はどのようなバランスで活動されていかれるのでしょうか? 新井:基本はセラピストという軸はぶれないようにしたいと思っていますが、色々と挑戦はしていきたいですね。昨年開催した田舎暮らし体験ツアーを通して、地元での活動が仕事につながることが実感できたので、今後はもうちょっと畑に関わる活動も広げていけたらと考えています。東京のカフェに野菜を卸すとか、都内で野菜を販売するとか。そしていずれは地元の群馬と東京でデュアルライフができたらいいなと思っています。 本田:心の声に素直であることは自分をケアすることでもありますよね。そういったことが、自分の「らしさ」や「美しさ」に通じていくのかもしれませんね。 新井:たくさんの情報が溢れている中で、いろいろと試しながら「自分が一番心地良いと思うこと」を選びとっていくことも大切だと思っています。そういったことを積み重ねながら、自分らしさを磨いていくことが一番美しく輝ける秘訣なのかもしれません。これからも内側の幸せや “楽しい、嬉しい” にフォーカスしながら、お客さまや自分も含め、みんなの美しさにつなげていきたいですね。 ■ 新井佑佳 /...

# HEALTH# ORGANIC# 自分らしく生きる

エネルギー溢れるシャスタの地で得た芯ある心地よい生き方 / 岡本あづささん

古くからネイティブアメリカンの聖地として大切にされてきた、北カリフォルニアにあるマウントシャスタ。その麓に暮らす大切なパートナーであるジュディとリチャードとの運命的な出会いをきっかけに、Mount Shasta Apothecaryをはじめることになった岡本あづささん。シャスタでの出会い、体験、そしてパートナーとの関係性には、健やかな生き方をするためのヒントがたくさんあり、ホリスティックな健康を手に入れる大きな学びが存在しました。 ―シャスタと不思議な人々との出会い 2012年当時、主人の仕事の都合でサンノゼに住んでおり、知人から北に自然豊かなマウントシャスタという場所がある事を教えてもらいました。アウトドア好きの私たち家族は、折角サンノゼにいるのだからシャスタへキャンプをしに行こう!となったのがシャスタの地と出会うきっかけでした。それにあたりシャスタのキャンプ場を検索していたのですが、英語が得意ではない私はサイトに載っている写真を見て場所を選んでいました。その中で、ネイティブアメリカンの住居『ティピ』が集っている写真を掲載しているサイトを見つけ、「面白そう!このキャンプ場ではティピにも泊まれるんだ。」と思い、宿泊したい旨をメールしました。そのキャンプ場は住所がないような荒野のかなり奥地にあり、途中でキャンプ場関係者だろうと思われる、おじさんとおばさんに迎えに来てもらい、ようやく辿り着けるような場所でした。しかし、いざキャンプ場についたら他に誰もお客さんがいなくて……。あれ?今日は貸切なのかな?なんて思っていたら、実はそこはキャンプ場ではなくただの民家だったんです! 迎えに来てくれたおじさんとおばさんは、そこの住人のリチャードとジュディでした。彼らは元々ネイティブアメリカンと交流があり、プライベートエリアでネイティブアメリカンの儀式などをしていたので、そのためにティピがあったのです。私はここが民家だと気づくまで、何かおかしいぞ?という感覚だったのですが、リチャードとジュディは初めから何とも思っていない様子で夕食も振る舞ってくれ、「来るのは分かっていたよ。」と不思議な事を言っていました。 ―シャスタのエネルギーをもつプロダクトを守りたい ジュディはハーブや野菜を育てており、それらでエッシェンシャルオイルやハーブティーなどのプロダクトを作っていました。彼女は滞在中に「これはあなたに必要な野菜よ。」「これはあなたのために育てたハーブよ。」と、初めて会う私におかしな事を言って料理を勧めてくるんです。実際に彼女が作ったハーブティーや野菜を食べてみると、ものすごい衝撃を受けました。今まで口にしたものとは別次元のパンチ力があり、パワフルなエネルギーを身体が吸収するのを感じました。驚いて「これはどうゆう風に作っているの!?」と聞きくと、ジュディは自身の事とプロダクトの事を教えてくれました。彼女はマスターハーバリスト資格、大学院で西洋医学の国家資格を取得していました。しかし彼女の知識のベースは、ネイティブアメリカンのメディスンマンにフィールド上で叩き込まれた薬草学でした。彼女は現代の医学知識と、伝統的な薬草学の2つを合わせてエネルギーあるプロダクトを作っていたのです。  彼女は自身のプロダクトをもっと多くの人の役に立てたいとは思っていました。しかし、住所もなく生活システムも自分達で作る環境に住んでいる彼女は、今の時代にフィットするインターネットなどの知識は持ち合わせておらず、プロダクトを広める手立てが分からずにいました。また、ネイティブアメリカンの薬草学は、伝統的に書物や書類のような形で残すものではなく口承で後世に伝えていくものらしく、彼女が作り上げたプロダクトを残すには、誰かが口伝えしなくてはならない事も話してくれました。「今はインターネットでものを買う時代。だけど自分はそのやり方を習得して販売する程の余力もモチベーションもない。」と言い、彼女はこのままでは自分のプロダクトは自然と消えてしまう、という事実を前に製作への情熱を失いつつある様子でした。 実際に彼女のプロダクトの力を体感しその話を聞いた私は、『この素晴らしいものがなくなってしまうのはまずい!』と思いました。私はハーブの知識はないけど、彼女がネックに思っているネット関連の部分は協力できる事があるかもしれないと思い、「もし手伝えることがあれば手伝いますよ。」と話をしました。この時は彼女を元気づけようと軽い気持ちで言ったのですが、実際にはこの瞬間がこのプロダクトに関わることになったスタートでしたね。今思うと初めて会った時に「来るのは分かっていたよ。」と言われたのも、ジュディのプロダクトが消えてしまわないように引き寄せられたのかもしれない。出会うべくして出会ったのかなと思いますね。 ー植物はポジティブな存在 ブランドを手にかけるならまずは自分を整えること 私はあくまで「ネットでの広め方を手伝うよ」というくらいの気持ちでしたが、彼らは『協力者』ではなく一緒にブランドを立ち上げてほしいという意向でした。そしてパートナーとなるとジュディは「植物はとてもポジティブな存在。ネガティブなものを持つあなたが植物に触れると、植物の最大限のパワーを引き出せない。まずは自分を整えなさい。」と言ってきたのです。また、パートナーとしてプロダクトを理解しようとしたのですが、彼女はハーブの種類や効能などは一切教えてはくれません。「ハーブの知識は後からでもついてくる。まずは人とハーブとの関係性や、ハーブはこの星にとってどんな存在なのかを考えなさい。」という壮大な課題が入り口でした。 教えに従ってハーブ関連の本などは一切読まず、早朝から夕方までハーブの世話と観察をし、自分だけの教科書を作りました。○時ごろにミツバチが来て、その後に朝日が昇り、○時ごろにこの種類の鳥が鳴き始める……といったような観察結果をジュディに毎日報告しました。それを見て彼女が「植物は朝日を浴びる瞬間に光合成を始める、ミツバチはエネルギーが一番高まる時に来ているの。」などと教えてくれました。私はただハーブを観ていたのではなく生態系そのものを学んでおり、彼女のプロダクトの世界観の大きさを知りました。 その後日本に帰国し、ジュディのプロダクトを輸入できるよう手はずを整えました。商品が手元に揃った時、『オーガニックライフTOKYO 2016』というイベントで初めてブランドとしてお披露目させてもらいました。 ―今も続く第二の故郷シャスタとの関係  毎年1回は行っています。コロナ期間は行けなかったので、今年3年ぶりに行くことができました。ジュディ達は私の息子も孫のように接してくれて、本当の家族のようです。私達の第二の故郷ですね。会えない期間や日本にいる時も、頻繁にメールやラインで連絡を取っています。『山に雪が積もったよ。』『月が綺麗だよ。』みたいなたわいも無い会話をしています。血の繋がりがない間柄でこんなに見守ってもらえて、また愛ある厳しさを与えてもらっている事に対してありがたく思いますし、それに応えられる自分でいたいと思います。 ―シャスタで過ごし学んできた自分軸で生きる大切さ ずっと体感させられているのは、『頭を使うな。体と心を使え。』という事です。体で感じて、心で話せという事を今でも伝え続けてもらっています。 また、ビシバシ擦り込まれたのは『他人の反応に反応するな。』という事ですね。人の反応に対して勝手に落ち込んだり、悩んだりするなという事です。私自身の体験を実例としてお伝えすると、毎日リチャードに挨拶していたのですが、目も合っているし、絶対聞こえているはずなんですけど、「モーニン!」と挨拶しても無視されるんです。1回そういった事があると、次から萎縮してしまったり、避けてしまったりして……。でも私の考え方なんてあちらには全てお見通しで、数日後に「君は相手が無視をしたという反応にショックを受けているけど、挨拶は相手が返してくれるからするものなのか?相手の反応に関係なく、君が気持ちよく1日を始められたらそれでいいんじゃないか?」と問われ、自分がいかに相手軸で動いていたかということに気づかされましたね。シャスタでは自分軸を作るレッスンのような教えを日常的にたくさん受け、生きる上での大きな学びにつながっています。 ―日本の女性が自分をリスペクトできるようにサポートしたい  ブランドを通して、体調面・人間関係を含めてホリスティックな健康のサポートをしていきたいです。日本の女性が誰の目も気にせず、誰かの期待に応えるためにではなく、自分のために自立した真の健康の輝きに気づくきっかけを与えられればと思います。ジュディに「先進国なのに日本の女性は傷ついている人が多い。」と言われてドキッとしたんです。それはパートナーシップだったり、まだ社会に男尊女卑な部分があったりと、日本独特の伝統的な『世間体』が自分達を潜在的に傷つけていると思うと、涙が出そうになりましたね。また女性は人生の過程で変化も多く、ホルモンバランスなど健康面でも気にかける事が多いです。それらのバランスを健康面・精神面共に健やかに保ち、自信を持って自分をリスペクトできるような女性を増やしていければと思います。シャスタでの体験は、『人生の盲点』をたくさん気付かせてくれました。ハーブやプロダクトの事はもちろん、私が体験し学んだ事も周りにシェアして誰かの役に立ちたいです。まだ私も日々もがいている最中なので、よりよく健やかな人生を歩めるようなヒントの一つとして捉えていただけると、体験した身としては嬉しいですね。 ■ 岡本あづさ/ Mount Shasta Apothecary主宰 古くからネイティブアメリカンの聖地として大切にされてきた北カリフォルニアにあるシャスタ山。その麓で静かに暮らすマスターハーバリストのジュディとの運命的な出会いから、彼女が作るヘルスケアプロダクトを日本に届ける役割を担う。マウンテンセージやジュニパーに覆われた豊かな土地でジュディが作るオーガニックハーブプロダクトは、シャスタの自然が与えてくれるエネルギーをたっぷりと取り入れている。 instagram: @mountshastaapothecary HP: Mount...

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「自分に正直に生きる」 ー女性が心身ともに健康でいるための植物療法とセルフケア 後編ー 須藤愛子さん

自身の出産を期に心身のケアの大切さに気づき、フィトテラピースクールで学びを深めた須藤愛子さん。女性が健康であるためのサポートをしたいと、2022年には「The Little Sunshine」を立ち上げ、フィトテラピスト(植物療法士)としての活動をスタートさせた須藤さんに、植物療法のこと、生理期の過ごし方やデリケートゾーンケアについてお話いただきました。 ―膣に潤いを保つことが免疫力アップにつながる  膣は女性にとって一番大事な場所です。デリケートゾーンと呼ばれる膣、尿道、肛門などはそれぞれ粘膜で覆われていて粘液を出しています。粘膜に潤いがなくなると粘液が出にくくなり、体内に侵入しようとする細菌やウイルスなどの病原体を中に入れないようにブロックしたり、異物を体外に排出したりすることが出来なくなってしまう。さらに、膣の乾燥が続くと、たるんだり萎縮したり、菌が繁殖したり、老化が進んだりと様々なトラブルを引き起こします。つまり、粘膜の潤いを保つことは免疫力アップにもつながるんです。これは私が体感してびっくりしたことでもあるのですが、膣が潤っていれば、不思議と鼻や目など身体の他の粘膜の乾燥も和らいでくるんです。 ―最高のアンチエイジングをもたらしてくれる膣周りのケア 日本人って、顔はきちんと専用のソープや化粧水などでお手入れをするのに、膣周りのケアをするという意識がないですよね。でも自分の膣に触れることは、自分の身体を知ることなんです。いつまでも粘液を分泌できるような、潤っていて弾力がある膣を維持することは最高のアンチエイジングとも言われています。膣のケアが女性の健康につながっていくということを実感しているので、若いときから第二の顔としてケアすることが当たり前になっていってほしいですね。 ―粘膜と馴染みのよい植物オイルでデリケートゾーンケアを アプリコットカーネルオイル、スイートアーモンド、マカダミアナッツオイルなど、実のなる種から抽出された植物オイルは粘膜との馴染みがよくおすすめです。ベタベタするのが苦手だったら乳液のようなミルクタイプのものでもいいと思います。最近「フェムケア」の流行りもあってかいろいろな製品が販売されていますが、粘膜は吸収率がものすごく高いので、天然由来のものを選びたいですね。 ―どんなふうにお手入れするの? デリケートゾーン専用のナチュラルなソープで擦らないように指の腹で優しく洗います。ソープはよく泡立てるかまたは泡タイプのものを使ってください。外陰部のひだには恥垢という垢が溜まりやすいので、ひだの部分も優しく洗います。シャワーで流しタオルで優しく水分を拭き取った後、専用のオイルやミルクなどを膣の粘膜部分から肛門部分まで優しく塗布し、馴染ませながら軽くマッサージします。 (写真)泡タイプで使いやすいデリケートゾーン用のフェミニンシフォンソープ / Pubicare organic。/ デリケートゾーン用のオイル / The Little Sunshine。(全て私物) ―身体が冷える季節には膣のオイルパックを試してみて 冬は、膣や会陰も冷えがちです。そんな時は人肌に温めた植物オイルでヒタヒタにしたコットンを生理用のオーガニックコットンナプキンの上に置いて膣にあてると、膣が潤い、温まるのですごく気持ちがいいんです。オイルパックをしながらそのまま就寝するとぐっすり眠れるのでぜひやってみてください。 ―女性が健康でいることで、明るい社会に須藤さんが世の女性に伝えていきたいこととは? まずは自分の心と身体を大事にして、しんどいときは無理をせず休んでほしい。自己中心的になれということではなくて、自分に正直に生きてほしいですね。女性が心身ともに健康でいることで、パートナーや子ども、周りのみんなが笑顔で元気になれるし、そのエネルギーをみんなが外に持っていけばそれがまた伝染していく。その連鎖が続いていけば、最終的にはとてもいい社会になるんじゃないかなと。女性にはそういう力があると思うんです。 ■ 須藤愛子 / フィトテラピスト・Bonnie &Moss ディレクター 自身の出産を期に心身のケアの大切さに気付き、フィトテラピースクールで学びを深める。2022年に「The  Little Sunshine」を立ち上げ、今後は植物療法士として個人向けホリスティックカウンセリングやフェムケア講座、企業向けセミナーを開催していく予定。そして親子が笑顔になれる場所、コミュニティーを作りたいという思いから2021年よりグラフィックデザイナーの友人と2人で「Bonnie&Moss」というユニットとして活動をはじめる。毎月三軒茶屋にて親子Work Shopを開催。instagram: @sol__luna...

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