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COMMUNITY

私たちの冬至の迎え方 ーコミュニティーハーバリストPaiさんのハーブティーレシピ公開ー

冬至(とうじ)とは、一年で最も昼の時間が短く、夜が長い日のこと。今年の北半球の冬至は12月22日(金)。自然と調和して暮らしてきた昔の人、ネイティブアメリカンにとって冬至はどのように捉えられてきたのか。彼らから知恵を授かり、今を生きる私たちはどのように迎えるのか。サンフランシスコ・ベイエリアで暮らすコミュニティーハーバリストのPai Miyuki HiraiさんとSISIFILLE(シシフィーユ)ブランドコミュニケーターcumiが、日頃よく訪れているレッドウッドの森の中で、冬至の過ごし方について語り合いました。Paiさんのハーブティーレシピと合わせてお届けします。 ―今在る場所、マザーアースに感謝する Pai:冬至は冬が至る(きわまる)と書いて、「日短きこと至る」と言う意味を持つんよね。  cumi:太陽の光が一番弱まる時期と捉えられているけど、身体はそれを感じとっているような気がする。ゆっくりしたい感じがするし。 Pai:12月はスローダウンよね。外に出て新しいことを始めるというより、一歩下がって、中に入って、自分を見直す時期。ネイティブアメリカンの冬至は、山に入ってその一年のお礼を伝えて過ごすんよね。お家の中に籠って、家族に美味しい料理を振る舞う。家族、コミュニティーに栄養を与える時期。 cumi:1年の締めくくりだし、全てに感謝を伝える時だよね。今日はカリフォルニア・オークランドにあるレッドウッドの森、Joaquin Miller Park(ホアキン・ミラー・パーク)に来ているけど、ここは私たちがこの1年よく訪れてはエネルギーを分けてもらった場所。(写真)カリフォルニア・オークランドのJoaquin Miller Parkのレッドウッド Pai:この1年のありがとうを伝えたくて来たんよね。すごくお世話になったから。冬至というと日本だったら柚子風呂とか冬至カボチャを食べる風習があるけど、柚子は香りが強いから、邪気を払うという意味で取り入れられてきたのは納得よね。 cumi:そうだね。かぼちゃは夏野菜だけど陽の野菜と言われているし、身体を温めて一年の疲れをとるのにもぴったり。これも昔の人の知恵だよね。心を落ち着かせてゆっくり、感謝する時間にもしたい。この時期は人にお礼を伝えることが増えるよね。それはとても良い習わしだけど、人の中だけで忙しくしていると、自分が日々過ごしている場所、マザーアースへの感謝というのが欠けてしまいがちだよね。 Pai:それはさ、現代社会が自然界から切り離されているからなんよね。本当は、場所と自然とコネクトしていなきゃあかんと思うんよ。でもみんな忘れてる。自然に遊びに、癒されに行くけど、自然とつながりに行かなきゃよね。オファリング(お供え物)を持参していくのがいいんよ。私は山に入る時、自然に触れる時に、自分が最近ドライにしたハーブとかティンクチャーを持って行って、その土地にお供えするんよ。私はあなたのことリスペクトしていますよ、ありがとう、という気持ちを自然にわかってもらうための意思表示は大事だよね。今いろんな国、場所で、女性が生理の血を大地に還すという動きが起こっているんだけど、それは大地に感謝の気持ちを伝える行為なんよね。昔は当たり前のように行われていたこと。(写真)レッドウッドにハーブティーをオファリングするPaiさん cumi : 自分自身が自然とつながっていることを実感するためにそうするとも言うよね。私たち人間はもともと土とつながっていて、いずれはこの土に還っていくんだと考えると、血を還すという行為はすごく自然なことだよなぁって思う。つながっていると感じられるから感謝の気持ちが生まれるんだと思うし。 Pai:昔の女性は生理の血を調整できたと言うよね。それも結局自分とつながっていないとできないわけやん。自分を整えるということを現代では忘れがちよね。産婆さんやドゥーラの人たちが昔はその方法を教えていたのに、いつからそれがなくなったんだろうって不思議なんよね。 ― グラウンディングして、自然とつながる時間を持つ cumi : 月経血コントロールのことだよね。骨盤底筋を締めて、経血を溜めて一度にトイレで出すという方法。昔は当たり前にできていたことが生活や環境が変わって出来なくなっていったんだよね。でもここ10年くらいでそういったことが一部では見直されてきて、ヨガや産婦人科医の先生が月経血コントロールや膣トレを広めている動きもあるよね。その中では布ナプキンが勧められていることが多いけど、肌に直接あたる一枚に自然素材を選ぶことにも意味があると思っていて。それも自然とつながるということじゃない。 Pai:女性が土から絶たれているのはよくないし、常に自然に触れておくことは大切よね。だから私たちも頻繁に山に入るようにしてるやん。体がそれを欲しているから。女性がグラウンディングしたら世の中は絶対良くなる。(写真)レッドウッドから生えてきた新芽cumi : 女性はライフステージのどこかで立ち返ったり、気づけるタイミングが多いから、大事な気づきを伝えていく役割を担っていると思うんだよね。それが女性性に紐づく。 冬至はそういうところにフォーカスするのもいいかもね。自分の女性性を見直したり、ちゃんと自然とつながってるかなっていう確認をする。この忙しい時期にあえて自分のために使う時間を持つというのも、自分に対してケアしているよ、いつもありがとね、っていうメッセージになると思う。冬至だからといって大それたことをする必要はないよね。近所とか職場の近くの公園の木の下とかで過ごしてみるだけでもいい。 Pai :...

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環境に配慮したものづくりで紡ぐやわらかな世界 ー生理用ナプキンのリニューアルにかけた想いー

2023年10月、シシフィーユはブランドの代表アイテムであるオーガニックコットンを使用した生理用ナプキンをリニューアルしました。これまでパッケージとして採用していた紙製のスリーブを廃止し、新しいパッケージフィルムにはバイオマス由来の原料を80%配合することで、石油由来のプラスチック使用量を削減。さらにフィルムへの印刷には、植物由来原料を10%以上配合したボタニカルインクを使用するなど、植物由来原料の割合を増やすことで、カーボンオフセットの観点から製造にかかる二酸化炭素の排出量を減らしています。今回企画を担当したMDの道端とシシフィーユブランドコミュニケーターのcumiが、環境に配慮したものづくりのこと、そしてリニューアルに込めた想いについて語りました。 ―さとうきびの搾りかすと卵殻をアップサイクルしたパッケージフィルムに cumi:2015年にシシフィーユを立ち上げてから、パッケージも環境に配慮されたものにしたいというのはずっと考えてきたことだったけれど、ついにリニューアルを迎えることができました。振り返ると長い道のりでしたね。 道端:試行錯誤を重ねて、ようやく納得のいく形になりましたね。 cumi:新しいパッケージフィルムには、全体の75%がさとうきびの搾りかす由来のポリエチレン、5%に廃棄予定の卵殻を採用したけれど、卵殻を使ったバイオマスプラスチックは国内ではまだあまり目にしないですよね。 道端:そうですね。バイオマス由来の製品というと、さとうきびやとうもろこしを使ったものが一般的かと思います。今回私たちが採用したのはさとうきび由来のポリエチレンと卵殻ですが、実は日本は世界で2番目に卵の消費量が多い国で、個数にすると年間約420億個もの卵の殻が国内で産業廃棄物として処理されているそうなんです。 cumi:私も今回、国内でそんなに卵が廃棄されているということを初めて知って、有効活用できるのはすごくいいなと思いました。シシフィーユにとってテクスチャーは大事な要素なので、パッケージの手触りにもこだわりましたよね。バイオマス由来といっても原料や配合量によっても質感が全然違うことに驚きました。 道端:米ぬかなど、他の素材を配合したサンプルも検討したのですが、どうしても独特の匂いがしたり、触り心地が良くなかったり。一番しっくりきたのが卵殻でした。卵殻5%配合と聞いて「お気持ち程度じゃないか」と思われてしまわないかと不安はあったのですが、それ以上増やすと表面に粉っぽさが残ってしまったりして。テクスチャーにもこだわると5%というのがベストだったんです。シシフィーユの協力工場さんも、バイオマス由来の原料を使った前例がなかったので、やってみないと何が起きるか分からないという中で、みんなが手探りの日々でした。国内生産の生理用品のパッケージでバイオマス由来のプラスチックが使われた例はほぼないんじゃないでしょうか。 (写真)cumi cumi:衛生用品を扱う工場では異物が入らないように安全性を第一優先されているから、バイオマス素材にすることでパッケージとしての耐久性が損なわれてしまうのではないかという懸念がありました。それは今回パッケージを生分解性にしなかった理由の一つ。私が住んでいるサンフランシスコではゴミを焼却するという選択はなくて、コンポストかランドフィル(埋め立てる)かリサイクルで処理されているんです。各家庭でコンポストしているところも多いことから、生分解性プラスチックはすんなりと受け入れられ、どんどん広がってきています。初めはどうにか生分解される資材を選べないだろうかという個人的な思いもあったのですが、それには少しずつ理解を得る必要があるんだということに気がづきました。 道端:前例がなかったこともあって、開発にはとても時間がかかりましたよね。リニューアルに向けて何年もかけて取り組んできたので、いざ新パッケージが完成して手にとった時は、本当に感慨ひとしおでした。「やっとここまで来られた!」って。資材を調達してくださったメーカーさんや工場さん、本当にたくさんの方々にご協力いただきました。私たちだけではとても辿り着けなかったと思います。 ―従来の使用感を残したまま薄型のナプキンに cumi:紙製のスリーブをなくすというのも大きい決断のひとつでしたよね。スリーブがあることでスッキリとした見た目や管理のしやすさが実現できていたということもあるし、あのパッケージがここまでシシフィーユを連れてきてくれたという思いも強かったので。道端:あのスリーブがシシフィーユのナプキンの良さでもあった一方で、使い終わったらゴミになってしまうということに対してのジレンマがずっとありました。単純にスリーブをなくすことだけでも解決できたと思いますが、今回新しいフィルムにしたことで、シシフィーユのナプキンを進化させることができたと思っています。 (写真)道端cumi:それから名称もサニタリーパッドからピリオドパッドへと変更して、以前からご要望が多かった23.5cmと29cmのナプキンを薄型に改良しました。薄型と言ってもいわゆる一般的な高分子吸収体をつかった薄型とは違って、ふっくらとしたシシフィーユならではの使用感が損なわれない厚さに調整できたので、より使いやすくなったと感じています。 道端:1パックあたりの入り数を増やしたことで1枚あたりの単価を下げられたことも良かったですよね。シシフィーユのナプキンは他社製品と比べて高価なので、どうしたらお客様が手に取りやすいようできるかというのも悩みのひとつでした。 cumi:一回の生理で使うナプキンの個数は、約20枚と言われているので、1パックあれば足りるという個数もこだわったポイントのひとつ。1パックごとの入数を増やすことで、ゴミの削減にもなりますしね。 ―私たちもシシフィーユの歩みと共に変化してきた 道端:今回のリニューアルは個人的にもすごく思い入れが強くて。大きく担わせてもらっていたので達成感があったのももちろんですが、シシフィーユの成長を感じると共に、自分自身の変化も実感しました。シシフィーユのチームの一員になって、ブランドの世界観にふれることで、環境問題に対する危機意識をはじめ、物事に対して感じることや、これから自分がどうなりたいのか、どんなことにコミットしていきたいのか、価値観や生活自体もすごく変わりました。シシフィーユが一歩ずつ変わっていくのと一緒に、私自身もアップデートされてきたんだなあ、と。 cumi:道端さんの言う通り、みんなの意見を反映しながらシシフィーユは成長してきたし、私たちもシシフィーユの世界から色々学んできましたよね。私はオーガニックコットンに携わりはじめて10年ほどになるけれど、ここで得た経験は衣食住さまざまなものを選択する基準にもすごく影響しています。シシフィーユを立ち上げてから8年の間に自然素材を使った製品が増えてきたのを見てきて、資材もまた同じように環境に配慮されたものになっていくといいなと思います。 道端:シシフィーユのプロダクトがメッセージとなって、これからどんどん変わっていけばいいですよね。私自身がシシフィーユに出合って変わったように、使ってくださる皆様にとっても何かのきっかけになってもらえればいいな。良いものはみんなでシェアして、より良いものづくりをしていきたいです。 ■ 道端真美 / SISIFILLE MD 美術大学を卒業後、設計会社に勤務。退職し、世界26カ国を周遊、その後カナダで暮らす。帰国後、オーガニックコットンを通じた嘘のないものづくりに感銘を受け、2018年シシフィーユの運営会社であるパノコトレーディングに入社。現在はシシフィーユの商品企画開発、PR、WEBサイト運営等に携わる。 ■ cumi / SISIFILLEブランドコミュニケーター 幼少期をインドネシアで過ごす。大学在学中よりアパレルで販売を経験し、卒業後はPR等として働く。2015年自身の体験をいかし、オーガニックコットンブランド「SISIFILLE」の立ち上げを担う。現在はサンフランシスコベイエリアを拠点に、シシフィーユWebサイト内のリーディングコンテンツ企画やSNS、製品企画を担当している。 Text&Edit...

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つながる場所があるということが支えになる / 櫻木直美さん

 広島でオーガニックコットンの肌着を展開する「marru(マアル)」。「まあるくつながろう」という願いが込められた名前の通り、ブランドの、そして櫻木さんの想いに心を寄せる人たちがやさしくつながり合いながら営みを続けてきました。「マアルさんの拡がりこそがコミュニティそのものだと思う」と語るSISIFILLE(シシフィーユ)ブランドコミュニケーターのcumiが、マアルを紡いできた想い、そしてコミュニティについて、代表の櫻木直美さんに話を聞きました。 ―母と娘、アトピー性皮膚炎の発症からすべてが始まった cumi:マアルさんは、立ち上げ当時から私たちのプロダクトを取り扱ってくださっていて、長年に渡ってシシフィーユを見守ってくれています。そもそも櫻木さんがマアルを始めるきっかけは何だったのですか?  櫻木:長女が赤ちゃんの時、重度のアトピー性皮膚炎を発症したんです。その数年後、なんと30歳を過ぎて私もアトピーになってしまって…。治したいという気持ち一心で衣食を見直す中、黄砂や花粉などの環境的な要因にも身体が反応していることに気がつきました。では、なぜ黄砂が飛んでくるのかと調べてみると、森林減少や土地の砂漠化といった人為的な影響があることが分かったんです。つまり、地球への配慮が欠けた私たちの行動が、結果的にアレルギーで苦しむ人たちを生んでいる。これって、因果応報ですよね。でも、子どもたちには何の責任もないじゃないですか。素直に申し訳ないなと思いました。 cumi:環境問題だけでなく、食べものや流通の仕組み、自然療法などに関心を持ったのもこの頃ですか? 櫻木:そうですね。アトピーがきっかけとなって、暮らしの根本を見直そうといろんなことに興味が広がっていき、次の世代に負荷がかからない生き方をしたいという思いで友人と始めたのが「エコママン」です。周りのママ友に布ナプキンを配ったり、マイ箸袋を作ってフリマで販売をしたりということをしていました。趣味の延長のような活動でしたが、徐々に忙しくなってきたこともあり仕事にすることにしたんです。それが「マアル」の始まりです。 (写真)マアルの実店舗「素 sou」 ―どうしたって、マアルを続けたくって仕方なかったそれほどまでに何かをしたいと思ったことは人生で初めてのことでした 櫻木:個人事業としてマアルを開業したものの、利益はほとんどなく、数年は自転車操業でした。実はマアルを立ち上げて一年後に離婚をしたんですよ。子どもをふたり抱えているし、周囲は当然就職先を探すだろうと思ったようですが、私には全くそのイメージが湧かなかった。どうしたって、マアルを続けたくて仕方なかったんですね。それほどまでに何かをしたいと思ったのは人生で初めてのことでした。心配する両親には「三年後に食べていけるようになっていなかったら諦めるから」と伝え、実際にちょうど三年ほど経った頃になんとか法人化することができたんです。 cumi:立ち上げ当初からある体を締め付けないマアルのオリジナルショーツは今では看板商品となっていますが、当時はまだ目新しいものでしたよね。なぜショーツをつくろうと思ったのですか? 櫻木:私はかゆみ対策として蒸れないショーツがほしかったし、足の浮腫みに悩んでいたママ友は、ふんどしパンツという締め付けのないものを履くとすごく楽になると言っていて。そういう鼠蹊部やお腹周りを締め付けないパンツがほしいねということでつくったのが、新月ショーツと満月パンツでした。 (写真)マアルの代表的アイテム「新月ショーツ」 cumi:マアルさんのオリジナルプロダクトは、糸に至るまで全て厳選されたオーガニックコットンでつくられているのも特徴ですね。 櫻木:そうなんです。アトピーになって衣類は綿素材のものを選ぶようになりましたが、一口に綿といってもかゆみがでるものがあれば、でないものもあるんです。たとえオーガニックのコットンであっても、生産の過程で化学薬品を使うことがあって、それがかゆみの原因となってしまうことがあるんですね。たくさんの生地を試す中で出合ったのが、製造過程で有害な化学物質を使用していないオーガニックコットンでした。 cumi:櫻木さんご自身の体験や身近な方の声が、気持ちのいいショーツの形や素材選びにつながっているのですね。 櫻木:そうですね。また、気持ちいいパンツであるためには、フェアトレードのコットンであることも大切な要素だと考えています。子どもたちに産地やその背景について聞かれた時に、胸を張って説明できるものでありたい。心地いい生地、心地いい肌着を選ぶことは、原材料を栽培する人々の暮らしともつながっていると思うんです。 (写真)マアルのオリジナル布ナプキン ―そこには心が通う人たちがいるということそういう存在があると知っているだけで支えになる  cumi:マアルさんは、プロダクトだけでなく、人とのつながりが豊かですよね。エコママンでのママたちのコミュニティがマアルにつながり、今もマアルが人と人をつないで拡がっていて。 櫻木:下着を使う人、原料を育てる人、生地を作る人、販売する人…、いろんな人たちの輪の中にマアルはあると考えています。創業から13年が経ちますが、つながっているという実感が伴っていて、マアルという名前にして本当に良かったと思っています。 cumi:私生活で落ち込む時期があっても、ずっとマアルに没頭することができたのはその実感があったからなのでしょうか? 櫻木:その通りだと思います。私はエコママンの時からずっとメルマガを配信しているのですが、たくさんの反応をいただくんですね。私のメルマガは想いが溢れすぎていて少々暑苦しいのですが(笑)、それを受け取ってくださる人たちがいる。お店ではお客さまからリアルなお声をいただきますし、ネットショップでは納品書に書くメッセージに対して、メールでお返事が返ってくることもあります。ネット上のつながりは希薄と言われることもありますが、全くそんなことはない。更年期に突入している同世代の方と励まし合ったり、ママ同士で共感し合ったり、お客さんであってもそういう関係性ができていることはすごくありがたいですよね。だからこそ、今まで続けてこられたんだろうなと思います。  cumi:そのつながりこそが「コミュニティ」ですよね。コミュニティって、一方的な押しつけじゃないというのがいいなと思うんです。売り手、買い手の関係を超えて、共通の価値観でつながることができる。対等になれるんですよね。肌や生理の悩みを持つ人がマアルさんのプロダクトを手にし、その魅力をまた別の人に伝えて、とじわじわとコミュニティの輪が拡がっていく。悩みや想いを共有できるからこそ、強いつながりが生まれるのでしょうね。 櫻木:マアルを始める前、子育ての価値観が近しい人を身近に見つけるのが難しかったんですが、天然のものを大事にしていたり、自然に沿った子育てをしているママたちのコミュニティがあって、そこへ行くとすごく気持ちが楽になりました。離婚やアトピーに苦しんだ時は周りの人たちに支えられたし、共に支え合えるという関係性が楽しかったんです。私はひとりでいることも好きなタイプなので、いつもそこにいたいというわけではないのですが、ふと気が向いて行くとそこには心が通う人たちがいるということ。そういう存在があると知っているだけで支えになるんですよね。 cumi:よく分かります。そのコミュニティの存在があるからこそ、ひとりを楽しむことができる。私もひとりでいることも集うことも好きですが、その心地よいバランスはみんなそれぞれ違うものですよね。リアルな場でもオンラインでも自分のタイミングでふらっと立ち寄る場所があることはすごくありがたいことだなと思います。  櫻木:そうですよね。今、月に一度助産師さんに来ていただいて、「添うの場」という無料個人相談会をやっているのですが、これが最高なんですよ。妊娠、出産のことに限らず、更年期や不正出血などどんな悩みを話してもいいし、どんな世代でもウェルカムな場所。みんなとシェアしたい映画を上映する「マアルシネマ」もそうですが、これからもそういう場所作りを続けていきたいなと思っています。滞在型でリトリートできるような場所をつくれたらいいな、とぼんやり想像してみたり。私、女の人たちがリラックスして楽しそうにしているのを見ることが大好きなんです。みんながほぐれて、元気でいる姿をずっと見ていきたいですね。  ■ 櫻木直美 / マアル代表取締役...

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「自分に正直に生きる」 ー女性が心身ともに健康でいるための植物療法とセルフケア 後編ー 須藤愛子さん

自身の出産を期に心身のケアの大切さに気づき、フィトテラピースクールで学びを深めた須藤愛子さん。女性が健康であるためのサポートをしたいと、2022年には「The Little Sunshine」を立ち上げ、フィトテラピスト(植物療法士)としての活動をスタートさせた須藤さんに、植物療法のこと、生理期の過ごし方やデリケートゾーンケアについてお話いただきました。 ―膣に潤いを保つことが免疫力アップにつながる  膣は女性にとって一番大事な場所です。デリケートゾーンと呼ばれる膣、尿道、肛門などはそれぞれ粘膜で覆われていて粘液を出しています。粘膜に潤いがなくなると粘液が出にくくなり、体内に侵入しようとする細菌やウイルスなどの病原体を中に入れないようにブロックしたり、異物を体外に排出したりすることが出来なくなってしまう。さらに、膣の乾燥が続くと、たるんだり萎縮したり、菌が繁殖したり、老化が進んだりと様々なトラブルを引き起こします。つまり、粘膜の潤いを保つことは免疫力アップにもつながるんです。これは私が体感してびっくりしたことでもあるのですが、膣が潤っていれば、不思議と鼻や目など身体の他の粘膜の乾燥も和らいでくるんです。 ―最高のアンチエイジングをもたらしてくれる膣周りのケア 日本人って、顔はきちんと専用のソープや化粧水などでお手入れをするのに、膣周りのケアをするという意識がないですよね。でも自分の膣に触れることは、自分の身体を知ることなんです。いつまでも粘液を分泌できるような、潤っていて弾力がある膣を維持することは最高のアンチエイジングとも言われています。膣のケアが女性の健康につながっていくということを実感しているので、若いときから第二の顔としてケアすることが当たり前になっていってほしいですね。 ―粘膜と馴染みのよい植物オイルでデリケートゾーンケアを アプリコットカーネルオイル、スイートアーモンド、マカダミアナッツオイルなど、実のなる種から抽出された植物オイルは粘膜との馴染みがよくおすすめです。ベタベタするのが苦手だったら乳液のようなミルクタイプのものでもいいと思います。最近「フェムケア」の流行りもあってかいろいろな製品が販売されていますが、粘膜は吸収率がものすごく高いので、天然由来のものを選びたいですね。 ―どんなふうにお手入れするの? デリケートゾーン専用のナチュラルなソープで擦らないように指の腹で優しく洗います。ソープはよく泡立てるかまたは泡タイプのものを使ってください。外陰部のひだには恥垢という垢が溜まりやすいので、ひだの部分も優しく洗います。シャワーで流しタオルで優しく水分を拭き取った後、専用のオイルやミルクなどを膣の粘膜部分から肛門部分まで優しく塗布し、馴染ませながら軽くマッサージします。 (写真)泡タイプで使いやすいデリケートゾーン用のフェミニンシフォンソープ / Pubicare organic。/ デリケートゾーン用のオイル / The Little Sunshine。(全て私物) ―身体が冷える季節には膣のオイルパックを試してみて 冬は、膣や会陰も冷えがちです。そんな時は人肌に温めた植物オイルでヒタヒタにしたコットンを生理用のオーガニックコットンナプキンの上に置いて膣にあてると、膣が潤い、温まるのですごく気持ちがいいんです。オイルパックをしながらそのまま就寝するとぐっすり眠れるのでぜひやってみてください。 ―女性が健康でいることで、明るい社会に須藤さんが世の女性に伝えていきたいこととは? まずは自分の心と身体を大事にして、しんどいときは無理をせず休んでほしい。自己中心的になれということではなくて、自分に正直に生きてほしいですね。女性が心身ともに健康でいることで、パートナーや子ども、周りのみんなが笑顔で元気になれるし、そのエネルギーをみんなが外に持っていけばそれがまた伝染していく。その連鎖が続いていけば、最終的にはとてもいい社会になるんじゃないかなと。女性にはそういう力があると思うんです。 ■ 須藤愛子 / フィトテラピスト・Bonnie &Moss ディレクター 自身の出産を期に心身のケアの大切さに気付き、フィトテラピースクールで学びを深める。2022年に「The  Little Sunshine」を立ち上げ、今後は植物療法士として個人向けホリスティックカウンセリングやフェムケア講座、企業向けセミナーを開催していく予定。そして親子が笑顔になれる場所、コミュニティーを作りたいという思いから2021年よりグラフィックデザイナーの友人と2人で「Bonnie&Moss」というユニットとして活動をはじめる。毎月三軒茶屋にて親子Work Shopを開催。instagram: @sol__luna...

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「自分に正直に生きる」ー女性が心身ともに健康でいるための植物療法とセルフケア 前編ー 須藤愛子さん

自身の出産を期に心身のケアの大切さに気づき、フィトテラピースクールで学びを深めた須藤愛子さん。女性が健康であるためのサポートをしたいと、2022年には「The Little Sunshine」を立ち上げ、フィトテラピスト(植物療法士)としての活動をスタートさせた須藤さんに、植物療法のこと、生理期の過ごし方やデリケートゾーンケアについてお話いただきました。 ―植物療法を日々の暮らしに気軽に取り入れるには?まずは自分の身体を観察してみよう 植物療法とは、植物の力を使って人間が生まれながらに持っている自然治癒力に働きかけ、心身のバランスの乱れを整え、健康な状態へと近づける伝統的な療法です。具体的には、その人の不調の原因を探り、ハーブを飲んだり、薬効がある食材を食べたり、精油などを使ったりしながら、その症状を癒していきます。  植物療法を日常に取り入れるためのファーストステップは、自分の身体を深く観察すること。それは自分の内面と向き合う時間を作ることでもあります。我慢を美徳とする日本特有の古い考えがあるせいか、日本人女性は頑張りすぎている人が多いですよね。特に子育て中のお母さんは自分のケアが後回しになりがちです。調子が悪くても身体の声を無視して頑張り続けた結果、病気を招いてしまうケースもよくあることです。大事なのは、自分を俯瞰して観察し、身体が出すサインをキャッチすること。そうすることで、ケアすべきタイミングやポイントが分かるようになってきます。 (写真)須藤さんが植物療法と出合うきっかけになった書籍、東城百合子さんの「自然療法」。フェムケアのことが知りたい方には森田敦子さんの「潤うからだ」がおすすめ。(共に須藤さん私物) ―ちょっとした身体の変化に気づくことで症状が現れる前のケアが可能に 前回の生理よりお腹が痛くなるのが二日ぐらい早いなとか、なんとなく喉がイガイガするなとか。頭痛などの症状が出てから鎮痛剤を飲むというような対症療法とは違い、植物療法というのは、症状が出る前からケアができるもの。なので、ちょっとした身体の変化に気づくことが大切なんです。日本人は体調を崩すとすぐに病院へ行く人が多いですが、植物療法が根付いているヨーロッパでは、不調を感じたらハーブ薬局へ行き、植物療法士に相談してハーブを処方してもらうなど、まずは自分自身でケアしてみて、それでもだめだったら病院に行くそうです。化学的な医薬と比べると植物の効き目は穏やかなので、例えば、生理の一週間前からPMSをやわらげるハーブを取り入れるといったように早めに対処することで効果が生まれやすくなります。 ―生理期を快適に過ごすために植物の力でセルフケアを 基本は、身体を冷やさないこと。使い捨てのカイロでもいいのですが、私が愛用しているのは、電子レンジで温めて使用するチェリーの種が詰まったチェリーストーンピロー。チェリーの種は中が空洞になっているので、そこに温かい空気が溜まって保温効果があるんです。特に仙骨周辺を温めると血流が良くなり、生理痛を和らげてくれます。他にも、好きな精油を焚いたり、スケジュールを詰めすぎないようにしたりなど、生理期間はできるだけリラックスして過ごすことを心がけてみてください。 (写真)お腹や腰、肩にも乗せて使えるおすすめのチェリーストーンピロー / INATURA。須藤さんが生理時だけでなく毎日摂取しているというピースミント“ENERGY”CBD &CBG +レモンとピースミント“RELAX”CBD+ペパーミント / 共にNUMUN NATURALS(全て須藤さん私物)。 ―生理期に摂りたい栄養素どんなものがいい? 鉄分は生理前からどんどん失われていくので、意識的に摂りたいですね。また、PMSや生理痛にも効果的なγ-リノレン酸。必須脂肪酸の一つで、月見草オイル、ボリジオイル、ヘンプシードオイルなどに含まれています。更年期症状などの緩和にも良いとされているので、サラダにオイルをかけて食べるなど、生理期に限らず日頃から摂取できるといいと思います。 (写真・左から)ホルモンバランスにフォーカスしたオリジナルブレンドハーブティー / The Little Sunshine。オイルカプセル 月見草油、毎日夕方に摂取するのがおすすめと言うオイルカプセル ボリジ油、PMSで気分が沈んだ時に良いというタンチュメール メリッサ / 全てCosme...

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「こだわり抜いた生理用ナプキンがブランドの起点となった」ーSISIFILLEのはじまりー cumi

2022年8月8日にSISIFILLE/シシフィーユはコンセプトを改め、オンラインストアを併設したオフィシャルWEBサイトをローンチしました。立ち上げから約7年、これまでを振り返り、経験してきたことやその頃の思いを当時企画/PR/営業を担当していたcumi(現ブランドコミュニケーター)が語ります。 ―「もっと早く使えばよかった」。産後、生理の不快感から解放してくれたのは布ナプキンだった シシフィーユがスタートしたきっかけは、ブランドの代表的アイテムである生理用ナプキンでした。出産と育児休暇を終えて職場に復帰した私が、社内で5、6年あたためられてきたオーガニックコットンナプキンの企画に出合ったことが原点にあります。私自身、出産後に一般的なナプキンや母乳パッドで突然肌が荒れるという経験をしました。それまでナプキンをつけていて不快に感じたことはなかったのですが、子どもを産んで肌が敏感になったことで一部の化学繊維に反応するようになりました。その時必要に迫られて使ったのが布ナプキンでした。使いはじめた途端にかゆみや不快感から一気に解放されるという、それは衝撃的な体験でした。使い始めるまでは、正直どこか「取り扱いにくそう」という思い込みから手を出せずにいたのですが、実際に使ってみると、「もっと早く使えばよかった」と思えるほど爽快で、まるで肌と一体化しているようなつけ心地でした。感じ方は人それぞれだと思うのですが、私の場合、デリケートゾーンに近い下腹部に感じていた痛みが和らぎ、つけていると硬くなっていた身体がほぐれていくような感覚になりました。 ―布ナプキンに近いつけ心地の使いきりナプキンがあったらいいのに! ただ、小さな子どもを抱えながら布ナプキンだけで生理期間を乗り切ることは、その時の私には難しく思えました。初めての子育てで、まだ目が離せない子どものお世話をしながら家事をこなすことで精一杯。子どもを寝かしつけた後に自分の布ナプキンを洗って干すというたった少しのことさえ負担に感じられたのです。外出時は特に、布ナプキンの管理に不安があり、やむをえず一般的な使いきりタイプのナプキンに頼っていました。 おりものシートだけでよかった授乳中は問題なかったのですが、卒乳をして再び生理が来るようになってからは布ナプキンだけでは煩わしさがあり、「布ナプキンに近いつけ心地で使いきりのものがあるともっと楽に過ごすことができるのに」と、日々感じていました。そんな時に目の前に現れた「使いきりタイプのオーガニックコットンナプキン」。出合うべくして出合ったと思わずにはいられない、私にとっての運命のアイテムでした。 ―布ナプキンを無理なく続けるための補完アイテムとして 「このナプキンは多くの人に愛されるようになる」という自信は初めから強く持っていました。その根拠には、自分の体験しか持ち合わせていなかったのですが (笑) それでも、憂鬱な生理期間を少しでも楽にしてくれるアイテムに出合うことは、目の前の景色が変わるほど革命的なことだと確信していたからだと思います。一方、長年オーガニックコットンの生地を販売してきた会社としては、布ナプキンを生産・販売する顧客の皆様が嫌な思いをされないかと懸念していました。でも私は、それに対してまったく不安はありませんでした。シシフィーユのサニタリーパッドはふっくらと厚みがあり、布ナプキンのつけ心地に近いものがあったことからも、布ナプキンを無理なく続けるための補完アイテムになると見込んでいたから。むしろ、布ナプキンを使うきっかけにもつながるプロダクトだと考えていたのです。  ―従来のナプキンにはなかった、こだわりぬいたビジュアルデザイン 生理用ナプキンのパッケージとしてそれまで当たり前だった過度に派手なデザインや、ナプキンの絵が大々的にプリントされたようなパッケージとは真逆のものを描いていました。本当に求められるパッケージ、それは買う時に隠す必要がなく、お家でもそのまま置いておきたくなるもの。シンプルでインテリアの邪魔はしないけれど、手に取った時に気持ちが高まる、そんなイメージ。そういったものがなかったからこそ、パッケージは必ず納得のいくものにしたいという思いが強くありました。 また、サニタリーパッドについてはサイズや入数、経血の量をあらわすマークなど、必要な内容だけをシンプルに印字し、不要な要素は極力削ることにこだわりました。様々な売り場で扱われることを想定して、生理用ナプキンであることがわからないようにロゴだけがプリントされた面をつくるなどといった工夫も。このようなビジュアルにおける細やかな配慮は、ブランドの立ち上げからアドバイザーとしてチームに参加してくださっていたYORK.代表の山藤陽子さんとグラフィックデザイナーの田部井美奈さんの存在なくしては実現できなかったことです。自信を持って良いと思えるプロダクトだからこそ、パッケージの遊び心はとても重要だと捉えています。山藤さんと田部井さんが思いを形にしてくださったことで、心を掴む意外性のあるパッケージは、今ではシシフィーユにとって欠くことのできない重要な要素になりました。 ―シシフィーユのプロダクトが自分を労わるきっかけになってくれたら コンセプトには、ブランド名を決めていく過程や企画を進めていく中で見えてきたことをそのまま採用しました。私は子育てをしながら働くという経験で日々感じることを原動力に、同じような環境にある人や、現代社会で様々な葛藤を抱えて忙しく生きる人たちを元気づけたいという気持ちが強く、プロダクトを通して少しでも「誰かの力になりたい」という思いをコンセプトに込めました。ブランド名は、意見を持ち寄り、話し合いを重ねて決めました。最終的に辿り着いた「SISIFILLE/シシフィーユ」は、「私たちは女の子」という意味も持つ造語。女の子というマインド・MOODは、何にもとらわれることなく心に持っておきたいもの。それが自分を優しく包み、労わる気持ちにつながる。忙しいとつい雑になってしまったり、疎かになってしまったりするけれど、シシフィーユのプロダクトが自分を労わるきっかけになってくれたら。「うんうん、わかる!そうだよね!」という共感から生まれたこのブランドスピリットは永遠です。 ■ cumi / SISIFILLEブランドコミュニケーター 幼少期をインドネシアで過ごす。大学在学中よりアパレルで販売を経験し、卒業後はPR等として働く。2015年自身の体験をいかし、オーガニックコットンブランド「SISIFILLE」の立ち上げを担う。現在はサンフランシスコベイエリアを拠点に、シシフィーユWebサイト内のリーディングコンテンツやSNS、製品企画を担当している。 Edit : Nao Katagiri Text : cumi  

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