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私たちの冬至の迎え方 ーコミュニティーハーバリストPaiさんのハーブティーレシピ公開ー

冬至(とうじ)とは、一年で最も昼の時間が短く、夜が長い日のこと。今年の北半球の冬至は12月22日(金)。自然と調和して暮らしてきた昔の人、ネイティブアメリカンにとって冬至はどのように捉えられてきたのか。彼らから知恵を授かり、今を生きる私たちはどのように迎えるのか。サンフランシスコ・ベイエリアで暮らすコミュニティーハーバリストのPai Miyuki HiraiさんとSISIFILLE(シシフィーユ)ブランドコミュニケーターcumiが、日頃よく訪れているレッドウッドの森の中で、冬至の過ごし方について語り合いました。Paiさんのハーブティーレシピと合わせてお届けします。

今在る場所、マザーアースに感謝する

Pai:冬至は冬が至る(きわまる)と書いて、「日短きこと至る」と言う意味を持つんよね。 

cumi:太陽の光が一番弱まる時期と捉えられているけど、身体はそれを感じとっているような気がする。ゆっくりしたい感じがするし。

Pai:12月はスローダウンよね。外に出て新しいことを始めるというより、一歩下がって、中に入って、自分を見直す時期。ネイティブアメリカンの冬至は、山に入ってその一年のお礼を伝えて過ごすんよね。お家の中に籠って、家族に美味しい料理を振る舞う。家族、コミュニティーに栄養を与える時期。

cumi:1年の締めくくりだし、全てに感謝を伝える時だよね。今日はカリフォルニア・オークランドにあるレッドウッドの森、Joaquin Miller Park(ホアキン・ミラー・パーク)に来ているけど、ここは私たちがこの1年よく訪れてはエネルギーを分けてもらった場所。
(写真)カリフォルニア・オークランドのJoaquin Miller Parkのレッドウッド

Pai:この1年のありがとうを伝えたくて来たんよね。すごくお世話になったから。冬至というと日本だったら柚子風呂とか冬至カボチャを食べる風習があるけど、柚子は香りが強いから、邪気を払うという意味で取り入れられてきたのは納得よね。

cumi:そうだね。かぼちゃは夏野菜だけど陽の野菜と言われているし、身体を温めて一年の疲れをとるのにもぴったり。これも昔の人の知恵だよね。心を落ち着かせてゆっくり、感謝する時間にもしたい。この時期は人にお礼を伝えることが増えるよね。それはとても良い習わしだけど、人の中だけで忙しくしていると、自分が日々過ごしている場所、マザーアースへの感謝というのが欠けてしまいがちだよね。

Pai:それはさ、現代社会が自然界から切り離されているからなんよね。本当は、場所と自然とコネクトしていなきゃあかんと思うんよ。でもみんな忘れてる。自然に遊びに、癒されに行くけど、自然とつながりに行かなきゃよね。オファリング(お供え物)を持参していくのがいいんよ。私は山に入る時、自然に触れる時に、自分が最近ドライにしたハーブとかティンクチャーを持って行って、その土地にお供えするんよ。私はあなたのことリスペクトしていますよ、ありがとう、という気持ちを自然にわかってもらうための意思表示は大事だよね。今いろんな国、場所で、女性が生理の血を大地に還すという動きが起こっているんだけど、それは大地に感謝の気持ちを伝える行為なんよね。昔は当たり前のように行われていたこと。
(写真)レッドウッドにハーブティーをオファリングするPaiさん

cumi : 自分自身が自然とつながっていることを実感するためにそうするとも言うよね。私たち人間はもともと土とつながっていて、いずれはこの土に還っていくんだと考えると、血を還すという行為はすごく自然なことだよなぁって思う。つながっていると感じられるから感謝の気持ちが生まれるんだと思うし。

Pai:昔の女性は生理の血を調整できたと言うよね。それも結局自分とつながっていないとできないわけやん。自分を整えるということを現代では忘れがちよね。産婆さんやドゥーラの人たちが昔はその方法を教えていたのに、いつからそれがなくなったんだろうって不思議なんよね。

グラウンディングして、自然とつながる時間を持つ

cumi : 月経血コントロールのことだよね。骨盤底筋を締めて、経血を溜めて一度にトイレで出すという方法。昔は当たり前にできていたことが生活や環境が変わって出来なくなっていったんだよね。
でもここ10年くらいでそういったことが一部では見直されてきて、ヨガや産婦人科医の先生が月経血コントロールや膣トレを広めている動きもあるよね。その中では布ナプキンが勧められていることが多いけど、肌に直接あたる一枚に自然素材を選ぶことにも意味があると思っていて。それも自然とつながるということじゃない。

Pai:女性が土から絶たれているのはよくないし、常に自然に触れておくことは大切よね。だから私たちも頻繁に山に入るようにしてるやん。体がそれを欲しているから。女性がグラウンディングしたら世の中は絶対良くなる。

(写真)レッドウッドから生えてきた新芽

cumi : 女性はライフステージのどこかで立ち返ったり、気づけるタイミングが多いから、大事な気づきを伝えていく役割を担っていると思うんだよね。それが女性性に紐づく。
冬至はそういうところにフォーカスするのもいいかもね。自分の女性性を見直したり、ちゃんと自然とつながってるかなっていう確認をする。
この忙しい時期にあえて自分のために使う時間を持つというのも、自分に対してケアしているよ、いつもありがとね、っていうメッセージになると思う。冬至だからといって大それたことをする必要はないよね。近所とか職場の近くの公園の木の下とかで過ごしてみるだけでもいい。

Pai : そうなんよ。なんでもいい。山に入らなくたって、土があるところで裸足になる。地面に直接足を触れさせるってことが大事。それがグラウンディングだから。

cumi : 温かいお茶を持ってね。
冬至、年の瀬にほっと一息つくためのハーブティーレシピをここでシェアできたらと思ってPaiちゃんにお願いしたんだけど、今回のレシピはどんなイメージで考えてきてくれたの?

植物のエネルギーを借りて心を落ち着かせ、自分とコネクトする

Pai : 冬至ということで、落ち着いて静かにグラウンディングしてもらうためのブレンドに。息を抜いて、ハァ〜っていう風船がしぼんでいくような感じ。そんなふうに力を抜いてリラックスしてほしい。ホーリーバジルは自然とつながるのにいいのと、パッションフラワーは不眠とか女性特有のトラブルにもエネルギーを貸してくれるんよね。内なる光を見るっていうイメージ。
※レシピは記事の最後に掲載

cumi : ハーブティーはさ、今の自分を知るのにもすごく良いなぁと思っていて。
香りによって、これすごく今の気分だなとか、これはちょっと苦手だなとか、好みをはっきりさせることで今の自分を紐解いていけるおもしろさがあるんだよね。

Pai : それが自分とつながるファーストステップよね。それでいろいろクリアになってくる。苛立ちとかつかえているいろいろが紐解けてくる。良いよね。

cumi : あとは香りを嗅ぐことで、ゆっくり深呼吸する時間を持てるというのもいい。ハーブの良い香りを嗅ぐと自律神経が整ってリラックスできるし。忙しかったり緊張したりしていると息するのを忘れてることってあるから、意識的に呼吸に集中する時間を持つのも大事だよね。
私、Pai ちゃんのお茶を受け取ると、袋を開けてまず香りを思いっきり嗅ぐんだよね。ブレンドしたてのフレッシュな香りは本当にリラックスする。

Pai : 私は自分で季節の植物をドライにしてるから、新鮮だというのもあると思う。古いハーブをずっと保管していると、香りだけじゃなくてエネルギーが死んじゃうんよね。私は、視覚と嗅覚を刺激するということも大事にしているから、エネルギーが新鮮である状態のまま届けることも考えて作ってる。でも、誰でもできるの。気になった植物を買ってドライにしたらいいんよ。
自分で作り出すと、この時期はこれがいいとか、このハーブはすごいエネルギーだなとか、ちゃんと感じられる自分でいることも重要になってくるんよね。フラワーエッセンスがエネルギーのように、ハーブティーもエネルギーだから。誰がどんな土で作ったかとかがすごく影響してくる。
※過去のPaiさんの記事『更年期に取り入れたい植物療法「フラワーエッセンス」』

cumi : エネルギーに敏感でいることは、自分を整えることにも通じるよね。
冬至を境にまた少しずつ太陽のエネルギーも強くなってくるから、この時期は自然と共に心を休めて、少しずつこれからのことに目を向ける準備ができるといいなぁって思う。

Pai : そうだね、自然の今の状況を体で感じて、自分を知ることにつなげていきたいね。冬至は心を落ち着かせて、感謝して。温かいお茶を飲んでこの1年を振り返るっていうことができれば良いんじゃないかなって思う。日頃から定期的にそういう時間を持てたらいいけど、冬至は大きな節目だから特別大事にしたいよね。

 

ー冬至のためのハーブティーWINTER SOLSTICE BLEND」レシピー

 

-ホーリーバジル
呼吸器官を整え、気分を爽やかに。ストレスを緩和させる働きも。

-セージ
優れた抗酸化作用がある。免疫力や集中力を高める助けにもなる。 

-ローズ
ホルモンバランスを整え、不安な気持ちをやわらげてくれる。肌の調子を整える効果も。

-パッションフラワー
緊張やイライラを鎮め、リラックスさせる。不眠症にも良い。

-みかんの皮
身体を温める。胃腸を整え、心を落ち着かせる。

ー作り方・飲み方ー

ハーブの香りを確認して、自分の感覚でそれぞれの分量を決めてブレンドする。
あたたかいお湯でも、水出しでも。
水出しにするとハーブのエキスがゆっくりと抽出され、まろやかな味わいを楽しむことができます。お湯 or 水の量を調整してお好みの濃度でお召し上がりください。 
※アレルギーをお持ちの方はブレンドしているハーブにご注意ください。
※妊娠中・授乳中・お薬を服用中の方は事前にお医者さまにご相談の上お召し上がりください

■ Pai Miyuki Hirai / コミュニティーハーバリスト

1997年渡米。ニューヨークを拠点にフォトグラファーとしての活動を始める。2001年に帰国し、中目黒にあった「gas-experiment!(後の大図実験)」を拠点に写真家として活動。その後自らもメッセンジャーとして働きながら仲間たちの写真をドキュメントする。2012年に再渡米。現在は母であり、サンフランシスコにて植物と宇宙のエネルギーとつながりながら、コミュニティーハーバリストという肩書きでみんながより良い生活を送るお手伝いをしている。
instagram: @mighty_thoughtful_medicine

■ cumi / SISIFILLEブランドコミュニケーター

幼少期をインドネシアで過ごし、大学卒業後はアパレルで販売やPRなどに従事。2015年自身の体験をいかし、オーガニックコットンブランド「SISIFILLE」の立ち上げを担う。現在はサンフランシスコベイエリアを拠点に、シシフィーユWebサイト内のリーディングコンテンツ企画やSNS、製品企画に携わる。

Direction,Text&Edit : cumi

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