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「well-being(ウェルビーイング)」を体現する / Mao Brazilさん

現在1歳になる男の子を育てながら、ご自身で立ち上げられたヘルスケアブランド『HARVEST SPOON』と、ローカルオーガニックとヴィーガンをコンセプトにした『COSMOS JUICE TOMIGAYA』を営むMaoさん。モデル、ケータリング業を経て、人の身体と心の健康に寄り添う仕事をしている彼女が考えることとは? 後編では運動、食、そしてブランドとお店立ち上げの背景から、Maoさんが日々大切にしていることについて伺いました。
気軽な気持ちで始めた運動と食事への気遣いが、その後の10年にもたらしたこと

運動を始めたのは20歳の時、あるランニングチームに誘われたのがきっかけでした。当時はモデルをしていたので、身体づくりと生活リズムを整えるために軽い気持ちで始めたのですが、翌年にはロンドンで10キロのマラソン大会へ出場し、その翌年には名古屋ウィメンズマラソンでフルマラソンを完走しました。大会へ出場するたびに仲間と一緒に走る楽しさを感じつつ、後半はもう自分との戦い(笑)。根性で走りきることもありましたが、完走した時の達成感はたまらないものがあります。その後も定期的に大会へ出ながら、ランニングは妊娠するまで続けていました。身体を動かすことは自分にとって不可欠だと自覚しているので、妊娠中から産後も自宅でYouTubeを見てヨガやトレーニングをするなど、無理せず自分のペースで運動を続ける日々です。
一方食に関しても、東京へ来た頃から体調を優先してできるだけオーガニックの野菜を食べたり、食材はファーマーズマーケットで買うようにしたりしてきました。そこで出会う農家の方々や、自然と調和して暮らす人たちの話を聞くと環境問題への関心の高さに共感できたり、私自身のマインドとも近いものを感じられたり、とても心地が良かったんです。

そして、食へのこだわりがより強くなったきっかけは妊娠でした。身体が添加物を受け付けなくなったことや、出産のためにハワイ島の大自然の中で暮らした経験から、それまで以上に食べる物の持つ力を強く感じることが増えたんです。さらに、地元で採れたフレッシュな物をいただく美味しさを体感し、それを作る方々の想いが直に聞ける安心感を得られたことで、「いただきます」や「ごちそうさま」と言う時の感謝の気持ちがより深まりました。今では、野菜はできるだけ各地の農家さんから直接オンラインで取り寄せたり、遠出した時は道の駅で買ったりしています。
私が運動と食事両方において大切にしていることは、それをストレスにしないということ。例えば運動を始めた当初は「モデルとして理想的な身体にしたい」という目的もありましたが、そうすると「ここがダメだ、ここが引き締まっていない」とか、見た目ばかりを意識してしまって辛くなってくるんですよね。でも私は、運動をすることで身体だけでなく、心まで健康になるのを感じたんです。日々の生活に追われて行き詰まったりイライラしたりする時、身体を動かすことで無になれて、心に余白ができる感覚。それは自然に触れることにも似ているんですけど、運動をして身体と心の両方を健康に保つことで、本来の自分を取り戻せるのを感じています。

パンデミックの最中、健康と幸せについて考える中で生まれた『HARVEST SPOON

そうした中で、パンデミックが到来したのが2020年。家にいながらゆっくり考える時間ができ、健康で幸せであることの大切さについて考え、再認識できた時期でした。そして自分が感じていることを反映させたものを作りたいという想いから、それまで私が飲み続けてきた酵素を使ってサプリメントブランドをスタートしました。それが『HARVEST SPOON)』です。

それまでも、その酵素を飲むことで腸内環境が整えられたり、お酒を飲んだ後も調子が良いのを感じ、私自身手放せないものになっていました。そんなお守りのような存在だった酵素でサプリを作るため、大学のチームと一緒に研究するところからスタートしました。私たちが作るサプリには、耐熱性で、生きて身体の中に働きかけるバクテリア由来の酵素を使っているのですが、緑茶に含まれるカテキンと一緒に摂ることでその効果がより高まることがわかったんです。そこから緑茶を育てている農家さんを探し、50年以上前からお茶を有機栽培されている伊勢のお茶屋さんに巡り会いました。また錠剤のサプリメントには粘着剤にパーム油が使われていることが多いのですが、インドネシアではその原料となるアブラヤシが伐採され、オラウータンの住処が破壊されていることが社会問題になっているのを知っていたので、パーム油は使いたくなかったんです。そのために高圧プレスができる日本の工場を探し回りました。資材も環境に配慮したものにこだわりました。容器はリユース、リサイクルできるもの、緩衝材と梱包材にはプラスチックを使わない、そしてラベルやテープは植物性の粘着剤が使われているものを選ぶようにしています。こうして自分のやりたいことを実現していたら結局1年という期間がかってしまいました。それでも気持ちがブレずに形にすることができて良かったと思いますし、資材については環境に優しいことを優先してこれからもどんどんアップデートしていくつもりです。
出産のために滞在したハワイでの日々と、私の思いをつめ込んだ『COSMOS JUICE TOMIGAYA

この考えは、今年の5月にオープンしたジューススタンド『COSMOS JUICE TOMIGAYA』でも同様に取り入れています。ショップの立ち上げは、出産のために滞在したハワイ島での日々がきっかけでした。

ハワイでは毎週、ファーマーズマーケットへ出かけ、地元で採れた新鮮でエネルギーの詰まった野菜を調達していました。その野菜がとにかく美味しかったのと、生産者さんとのコミュニケーションが本当に楽しかったこと。美味しさと楽しさが相まって、気分も体調もとても良かったんです。結果として4ヶ月間、私たち夫婦は毎朝ジュースを飲んで過ごし、最後にはジューサーが壊れたほど(笑)。

そして日本に帰っても同じことができたらなと思い、このジュースバーを立ち上げました。今回は、夫もそうですが、家族や友人、仲間たちと一緒になって1からお店作りをしたんです。カウンターを設置したり、壁にやすりをかけてパテやペンキを塗ったり。息子を抱っこしながら、できることは何でも自分たちでやりました。その地域にいる人々にも受け入れてもらえるよう、ナチュラルでカジュアルで、手作り感のあるお店を目指して。おかげで私自身も行くたびに元気になれる空間になったと思います。
お店で出すメニューやレシピについても、サプリと同じく細部までこだわりました。メインはコールドプレストジュースとスムージーで、コールドプレストジュースは全て国産の無農薬野菜、果物を使っています。スムージーに入れるものは海外からのものもありますが、全てオーガニックで作られている野菜や果物で作っています。取引先の農家さんとも直接やりとりをしていて、畑を見に行ったり話を聞いたりして、作物が作られる背景が信頼できるものを選んでいます。その時旬の食材を使って作っているので、メニューも頻繁に変わりますが、その分いつ来ていただいても飽きずに楽しんでもらえると思います。

あとは、看板メニューでもある「ショット」がおすすめです。オーガニックの生姜と沖縄のウコンをメインに、旬のフルーツや野菜を入れて飲みやすくしていますが、これが本当に元気になる! 私はお店へ行くたびにそのまま飲んだり、他のドリンクにショットを追加して飲んだりしているのですが、もう欠かせません。

また、ドリンクを提供する時に使っている瓶はリユース・リサイクルができるものにしていて、カップはコンポスタブル(生分解性)のものを使っています。「HARVEST SPOON」を始めた頃から実施してきた、ゴミになるものはできるだけ使わないということ、これはジュースバーでも引き続き妥協せずに続けていこうと思っています。
人と自然に魅了されながら
今、自分ができる「well-being(ウェルビーイング)」を体現する
こうして振り返ると、運動と食事がもたらす私の心地よさ、快適さの延長線上に『HARVEST SPOON』と『COSMOS JUICE TOMIGAYA』があるのは必然だと思います。どちらも人と人であり、人と自然の結びつき。運動するのも人がきっかけだったし、食に関しても自分と同じマインドの人々が作る食材を手にとるようになりました。そして健康にいい物を作りたくてサプリを作っては、必要としてくれる人へ届けている。日々、お店へ行ってスタッフと一緒にメニューを考えたり、お客さんとコミュニケーションをとることもとても楽しいんです。だから今はこうして、私なりに自分に対しても、家族に対しても、周りに対しても、「well-being(ウェルビーイング)」を感じられる場所やものを作ることを大切にしていきたいと思います。

今後の願望? そうですね、やっぱり私は自然に助けられていると思うから、またいつか自然の中で暮らしたいです。ハワイ島では海に浮いているだけで本当に幸せで楽しかったんです。大人でも子供に戻って過ごせる場所へ、感性豊かな息子にはできるだけ早いうちから自然に触れさせたい。息子には、暮らす環境、自然に敬意を持ち、植物や動物をはじめ全ての命を大事にして欲しいなと思います。
■ Mao Brazil/HARVEST SPOONFounder、COSMOS JUCE TOMIGAYAOwner

大阪生まれ。モデルとして活動する傍ら、2018年にケータリングサービス『BAD BAD NOT FOOD』を立ち上げる(現在、休止中)。2021年にヘルスケアブランド『HARVEST SPOON』を創立。2023年には富ヶ谷に国産無農薬野菜を使って作るジュースバー『COSMOS JUICE TOMIGAYA』をオープンさせる。
HP: HARVEST SPOON   
instagram: @maointhepark @cosmosjuice_tomigaya

Photo : NISHITANI KUMI    
Text&Edit : Wakako Matsukura
Location:COSMOS JUICE TOMIGAYA

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