このウェブサイトはお使いのブラウザーに対応しておりません。Edge, Chrome, Safari, Firefoxのいずれかで再度お試しください。

「肌ざわり」がわたしたちにもたらすもの File02 ー日常に意識的に余白を持つことで心のバランスを整えるー 林真理子さん

「オーガニックコットンという素材のやわらかさで誰かの心を少しでもやわらかく、軽やかにしたい、もっと言えば、世界をもやわらかくしたい」と考える私たちが、さまざまなフィールドで活躍する人々にフォーカス。独自の感度を持つ人々に日常や身の回りのこだわり、惹かれるものについてお話を聞きながら、肌ざわりと心の関係性を紐解きます。
今回は、ファッションブランド「jonnlynx(ジョンリンクス)」のデザイナー/ディレクターとして活躍する林真理子さんにインタビュー。ファッションが好きでスタートしたキャリア、「jonnlynx(ジョンリンクス)」のはじまり。現在のライフワークと仕事のバランス、心落ち着ける愛用品について伺いました。

絵を描くのが好きだった子供時代陶芸などを経てファッションの業界へ

--まずはじめに、林さんの子供時代について聞かせてください。
林:子供の頃はとにかく絵を描くのが好きでした。新聞に入っている広告やカレンダーの裏面が真っ白なものを見つけてはそこに必ず絵を描く、そんな子供でした。仕事でデザイン画を描く感じとはまた違う感覚で、空想したり独り言を言いながら黙々と描いていましたね。最近は息子と一緒にお絵描きをして遊びますが、思いつきで手を動かすことが、今では私にとって一種のメディテーションのような役割にもなっている気がします。

--どのような経緯でファッション業界へ入られたのですか?
林:アートが好きだったので、18歳のときに東京の美術系の短大へ進みました。そこで絵を描きながらさまざまな芸術に触れているうちに、陶芸など立体物に興味が湧いてきて。卒業してからは陶芸教室のアシスタントをしていました。でも現実問題、それだけでは食べていけない。そんな時、ファッション業界に友達がたくさんいたこともあり、セレクトショップの仕事に応募したんです。

--そこからデザイナー業へ?
林:そうなんです。服のデザイン経験もないのに、なぜか当時は強気に希望職種のところに「デザイナー」って書いて、社長から「デザインできるのか?」って聞かれた時も「できます」って(笑)。そこから誰に頼まれるでもなく、勝手に靴やベルトなど小物のデザイン画を描いて、社長に見せに行ったら「これ、作ってみろ」って言われて、最終的にはそこのオリジナルブランドのデザイナーをやっていました。当時はそういう無知ゆえの強さがあったんですよね。そこでデザイナーをやりつつ、途中からはPR業も兼任して、結局10年くらいお世話になりましたね。あの頃がなければ今はないです。

当時、一歩先を行くオンラインストアで『jonnlynx(ジョンリンクス)』を始動

--その後、『jonnlynx』を立ち上げられたんですね?

林:そう、2008年ですね。セレクトショップ時代から長年一緒に仕事をしてきた、コレクションブランドで働いた経験もある友人と「自分たちで何かやりたいね」ってことで始めました。

セレクトショップで働いていた頃、雑誌に掲載してもらうことで受ける影響とか、そこに翻弄されることが嫌になってしまって。自分のスタイルや感性をブログで見て共感してくれる人たちがいることを実感していたし、もっと自分たちの世界観を直接共有できるひとたちに向けてやっていけばいいんじゃないかって思ったんです。当時はまだ、服は実店舗で買うのが当たり前だったんですけど、私自身海外のオンラインショップで買い物をしていたこともあり、どこか自信があったんですよね。それで、今ほど主流ではなかったオンライン販売でスタートしました。

「jonnlynx」って、実はPR機能を持っていないんですよ。友人のスタイリストや編集の人からリクエストがあった時は貸し出したりしつつも、根本的には自分たちが直接発信するものを理解して選んでくれる人たちに直接届けたいというのが今もあります。--今まさに、時代がそういうムードですよね。

林:そうですね。でも、元々はそうしてやってきたブランドだったのに、しばらくしてブログをお休みしてしまったんです。でもこれでは自分の世界観を閉ざしてしまっているなと思って、パンデミックの時にインスタをやらないとって気づいて始めました。そこで改めて、自分たちの表現するものに共感してもらえる人たちの大切さに気づかされました。そんな感じで「jonnlynx」は今年、16年目に突入します。

子育て、多忙な時期、コロナを経てライフワークと仕事のバランスを見直す

--価値観や環境はどのように変化していきましたか?

 林:パンデミック前に息子を出産したんですが、その直後は自分史上一番、仕事が忙しい時期で。出産前後でも特に休みを取らなかったのもありますが、それにしても本当に忙しかった。自分のブランドと同時進行で他企業のブランドディレクションも担当していて、今振り返ると当時はアイデアを出すために頭がパンク状態でした。一つ一つに全力を注ぐことができていなかったし、イライラしていることも多かったなって思います。その後にコロナの影響で仕事が少しずつ減り、やっと落ち着きを取り戻していったという感じです。--忙しい時期を経て、どのようなリズムが林さんにとって心地良いと思いますか?

林:もともと私自身、予定を詰め込むのが苦手なタイプなんです。だから、展示会とかの繁忙期以外はできるだけ予定を入れない日を多くするようにしています。何もない日を増やして、日常に意識的に余白を作ることで自分の中でバランスを保てるんですよね。ライフワークである子育てやデザインにも没頭できるし。服をつくることも子育ても同じクリエイティブ軸の上にあるように感じていて。私の場合、サーフィンやスノボーの時間は予定として捉えていなくて、そういう好きな時間を自由に持つことが心地良いんだと思います。それが結果的に仕事である服作りにも影響しています。

--好きなものやインスピレーションを受けるものに変化はありましたか?

林:好きなものはあまり変わってないですね。ただ細いヒールだけは履かなくなったかな(笑)。無理せず、自分の気分が良くなるものを選ぶことの方が重要になってきている感じがします。

昔はよく海外の雑誌や写真集を見ながらデザインをしていましたが、今はそういったインプットをせずに感覚的につくることが多いように思います。海や山、自然の中で過ごす時間を持っているので、自分の気持ち良い感覚とそうではない感覚が鋭くなってきていると思うんですよね。逆に情報に触れすぎると頭がパンクしてしまって、デザインできなくなっちゃう。だからそこは距離を取りながら、常にフラットでいたいと思っています。

日々に寄り添うウール、カシミヤ、コットンの天然素材アイテムたち

--そんな林さんが選ぶ、心地よい「肌ざわり」のアイテムについて聞かせてください。

林:1つ目は、「jonnlynx」で10年以上作っているウールのインナー。ウールは動物の毛なので、汗を吸収してくれるし、速乾性にも優れているんです。ウール=温かいという印象が強いと思うんですけど、消臭効果も高いんですよね。だから、冬だけでなく夏こそ着ると快適なことを提唱したくてインナーを出しているんですが、これが本当に好評で。決して買いやすい金額ではないのですが、リピートしてくださる方が多く私は破けても、お直しを重ねて10年以上着続けています。軽くてとにかく気持ちがいいので、パジャマもこれ。これまでいろいろなものを試してきたけど、寝る時は薄手のウールが一番。手持ちの服の中で最も手放せないアイテムです。あとはロサンゼルスのブランド「The Elder Statesman(ジ・エルダー・ステイツマン)」のソックス。友人から誕生日プレゼントにもらったのがきっかけなんですが、カシミヤがとても柔らかくて、暖かい。肌ざわりもとても優しくて気に入っています。これも穴が空いても補修しながら何年も履き続けています。あと、ショーツはコットンが好きです。ブラは胸が目立たないようなデザインを重視してフィット感を求めてしてしまうのですが、ショーツはソフトで苦しくないもの、さらに蒸れないものが良いので綿を選ぶようにしています。--お子さんが着るものについても聞かせてください。

林:「jonnlynx」のキッズラインでもウールのインナーを出していて。息子にもそれをインナーとパジャマにして着せています。子供はラグランスリーブで作っているので、成長しても袖丈が短くなるだけで長く着られるように作っているんです。子どもってすごく敏感で、チクチクにうるさいんですよね(笑)。そんな子どもでも、うちのウールは気に入って着てくれています。キッズの服も妥協せずに大人と同じ素材を使うようにしています。

■ 林真理子さん/jonnlynx(ジョンリンクス)デザイナー、ディレクター

セレクトショップでデザイナー、プレスを兼任。2008年に自身のブランド『jonnlynx(ジョンリンクス)』を始動。サーフィンとスノーボードを嗜み、自然の中で過ごすことが趣味。

HP:jonnlynx公式サイト/オンラインストア
instagram:@jonnlynx
                    @mariko__hayashi
                    
Photo : NISHITANI KUMI
Text&Edit : Wakako Matsukura
Interview:cumi

初めてご注文で10%オフ。クーポンコード [ WELCOME10 ]

Cart

No more products available for purchase

カートに商品がありません。