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この地球で持続可能な暮らしをしたい ーパーマカルチャーが僕らに教えてくれたことー 木多伸明さん

岡山県で持続可能な暮らしを営んでいるノブ(木多伸明)さん、ケイさん、3歳のテラくん一家。電気は太陽光発電、ガスは引かずに自家製の炭と薪で調理、雨水をろ過して飲み水を作り、お風呂は薪で沸かし、自宅の敷地にある畑では家族が食べるに十分な野菜を育てています。彼らが実践するパーマカルチャーとは、パーマネント(永続性)、アグリカルチャー(農業)、カルチャー(文化)を組み合わせた、人と自然が共存する持続可能な社会をつくるためのデザイン手法のこと。20234月に公開されたばかりの映画「TERRA 〜ぼくらと地球のくらし方〜 」は、ノブさん一家が国内外のパーマカルチャー実践者を訪ねた軌跡を自ら記録したものです。パーマカルチャーの基本倫理は、アースケア(地球に配慮する)、ピープルケア(人に配慮する)、そしてフェアシェア(みんなで分かち合う)。その暮らしの先には、循環する豊かな世界が見えてきました。

消費者から生産者へ。人生が変わるほどに魅了されたパーマカルチャーの世界

以下語り手 Nobu:
ニュージーランドの北端から南端まで3000km続くトレイル Te Araroa(テ・アラロア)” をハネムーンとして5ヶ月かけてケイと2人で歩いたのは2017年のこと。その後、ケイはニュージーランドに残り、僕は昔から憧れていたアメリカのトレイル PCT(パシフィック・クレスト・トレイル)” へ。そして4200kmの道のりを1人で歩いていた時、ケイから「共生革命家のソーヤー海くんの “人生が変わるパーマカルチャーツアー”が近くで開催されるから歩き終わったら参加してみたら?」と連絡がきた。そもそもは彼女が行きたがっていたのだけど叶わないので、代わりに僕へ勧めたのだ。ツアーは、西海岸のパーマカルチャーの聖地と呼ばれる場所を2週間ほどかけて巡るもの。その時は正直あまり興味はなかったけれど、せっかくアメリカにいるのだから、と軽い気持ちで参加することにした。

まず訪れたのは、40年以上パーマカルチャーを実践しているワシントン州のブロックス・パーマカルチャー・ホームステッドだ。ちょうど実りの時期ということもあって、食べ物がそこら中になっていて、ナッツや薬草は生い茂り、果樹からは取りきれない実がボトボトと落ちていた。溢れんばかりの収穫物は乾燥させたり、瓶詰めにしたり、ジャムにしたりと、何でも保存食にするらしいが、それでも食べきれないという。だけど、例え欲しいという人がいても余っているフルーツは売らないと聞いて驚いた。収穫された果物を買う人はただの“消費者”にしかなりえないからだ。彼らはナーサリー(育苗園)を営んでいて、そこでは世界中の様々な種類の苗を購入することができる。苗を買い育てれば、“生産者”になることができるというのが彼らの考え。その視点に感銘を受けたし、目の前に広がる楽園のような世界を見て、「僕もこれをやりたい」と強く思った。 

(動画)ブロックス・パーマカルチャー・ホームステッドで撮影されたツアー動画

トライアンドエラーを繰り返して学んでいく開拓の日々

それまでの僕は東京に住んで、映像カメラマンとして仕事をしていた。2018年に日本へ帰ってくると、パーマカルチャーを実践するために僕らは東京を離れることにした。ケイも旅の中で循環する暮らしを営む人たちと過ごすことで、場を育みたいという気持ちが強くなっていたようだ。移住先はいくつか検討したけれど、岡山で僕の祖父母が住んでいた家が空き家になっていて、手っ取り早く始められそうだったのでここに決めた。家の前には畑があって、周囲は少し小高い丘になり雑木林に囲まれている。長年放置されたままだった土地は藪化し、竹林は暴走していた。そこからはひたすら開拓の日々。僕は子どもの頃からモノを作ることが好きだ。今も基本的に何でも自分で作るが、大体は一度失敗する。僕にはこういう暮らしの経験がないから、全てトライアンドエラーで学びながらやっていくしかない。 

(写真)↑ 藪化していた頃の様子。↓現在の様子。

現代の暮らしでは自然と人間は完全に分離されていて、例えばトイレで流したものがどこへ行くのか疑問に持つ人は少ない。そういう感覚的なものが失われた暮らしに、それってどうなっているの?とか、それっておかしくない?とか、考えるきっかけを与えてくれるのがパーマカルチャーなのだと思う。汚水をきれいにしてくれるプロダクトを購入するのではなくて、その仕組みをどうやって作ろうかと考える。そして理論を実践していく。その小さな実践の積み重ねが、自然界と人間のつながりを取り戻してくれるのだ。

(写真)温室とお風呂を兼ね備えるジオデシックドーム

(写真)伐採された竹で囲われたコンポストトイレ

そもそも、パーマカルチャーを取り入れることは決して難しいことではない。コンポストでも、ベランダ菜園でも、できることから始めればいい。もちろん苦労はそれぞれにあるけれど、それ以上に得られるものは大きいし、実際に僕らの暮らしの豊かさはどんどん上がっている。果樹も少しずつ実りが出てきたし、僕たちの暮らしを見にくる人たちも増えてきて、僕が西海岸で受けた影響を今度は僕が人に与えられるようになってきた。僕は今、西海岸で見たあの憧れの暮らしがここ岡山でできつつあることを実感している。

(写真) 屋根の上に備えつけたタンクに、ポンプで井戸水を引き上げてシャワーが出る仕組み。

この映画が、その土地のパーマカルチャーに興味のある人と実践者とをつなぐきっかけになったら

僕らのように田舎でパーマカルチャー的な豊かな暮らしを実現していたとしても、気候変動やエネルギーなどの大きい問題からは逃げることはできない、というのもこの暮らしを始めて気づいたことの一つだ。いくら目の前の風景を豊かにすることができても、僕らだけでは気候変動をどうにかすることはできない。僕が生きている間には大事にはならないかもしれないけれど、じゃあテラは?他の子どもたちはどうなる? 彼らの未来を守るために、今何かアクションを起こすべきなんじゃないかと考えていた。

そんな中、ソーヤ海くんがパーマカルチャーのことを僕に映像化してほしいと考えているという話を聞いた。僕は宅地と畑の開拓に追われてそれどころじゃなかったけれど、ちょうどテラが産まれた後でどうもケイは旅に出たそうだった。初めての子育て、さらに移住とコロナが重なり、外とのつながりが少なかったこともあって、ここでの生活に少し息苦しさを感じていたのかもしれない。それに、パーマカルチャーをより多くの人が実践してくれたら世の中を変えることができるかもしれないという思いもあった。 

(写真)烏骨鶏を愛でる子どもたち

ケイはDIYで作ったソーラークッカーでよくクッキーを焼いてくれるのだけど、天気がいいとテラは「今日はクッキー焼けるかなー」と言う。3歳ながら、太陽があればクッキーが焼けるんだということを彼はナチュラルに知っているのだ。もし世界中の子どもが同じように言い出したら、将来エネルギー問題は解決できるんじゃないだろうか。

この暮らしを映画にして、この世界をもっと多くの人に知ってもらいたい。ここの開拓作業を止めてしまうことはとても苦しい決断ではあったけど、やっぱりドキュメンタリー映画を撮ろうと決心した。そして家族3人でアメリカと日本各地のパーマカルチャーの実践者を巡る旅が始まった。

(写真)ソーラークッカーでクッキーが焼く様子。そしてそれをじっと待つテラくん。

 (写真)電気は太陽光発電のみのオフグリッド。各小屋にソーラーパネルとパッテリーを設置して電気を賄っている。

僕らが知っている人たちを取材するうちに輪が広がっていき、終わってみれば訪ねた場所は40ヶ所以上にも及ぶ。心配だった編集に関しては、支援してくれる人たちと少しずつ進めて完成することができた。この映画は、各地のパーマカルチャーデザイナーや実践者をハブとして自主上映会を開いてほしいと考えている。映画がきっかけとなって、これまでなんとなくパーマカルチャーやこういう暮らしに興味がある人がその土地の実践者とつながることが何より大事だと思うから。話を聞いて現場を見てみたり、実際に始めたいというときにはデザイナーが助けになってくれるだろう。
パーマカルチャーでつくるそれぞれの小さな世界は豊かにしかなっていかない。だから、みんな始めようよ。始めなきゃここにはたどり着けないから。

 (動画)映画「TERRA 〜僕らと地球の暮らしかた〜」の予告

■ Nobu(木多伸明) / くらしのね 暮らしとパーマカルチャー

2019年にパーマカルチャーを実践する暮らしの場を求めて、家族で岡山県へ移住。現在はパーマカルチャー実践者、デザイナー、時々カメラマンとして活動中。20234月、自主制作したパーマカルチャードキュメンタリー映画「TERRA 〜僕らと地球の暮らしかた〜」が自主上映会にて公開スタートした。
HP:映画「TERRA 〜ぼくらと地球のくらし方〜」公式サイト
instagram:simpleliving1744

Text&Edit : Nao Katagiri 
Photo : くらしのね 暮らしとパーマカルチャー
Interview:cumi(SISIFILLE)

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